神様と戦っても、悪魔に魂を売っても、いいんだ。
いまはもうみるかげもなく
灰色の瞳で寂しげに
ガラス細工のように空をみているね
ビルに落ちる夕日は
とまってしまったあなたのよう 夜がくるね
《あんたのためなら この街だって 壊してやる》
アメリカアニメみたいに わるものわらいをきめてくれた
バカみたい
でも信じてた それであの女もただじゃすまないって知っていながら
夜が明ければ 今朝が来たように
ふたりはあすを待っているのだと
夜はもう凍てついた星々を油をさしわすれた
歯車で ギィギィと回しているが
もはや古びていたんだ糸が切れて
星が堕ちることもある
《諦めた糸だけが千切れたか》
《あたい達は諦めないよね》
けれどたとえ街を破壊するパワーを持った女でも
世界に刃向いつづけては
明日がやって来ない夜
いつしかこの街で まじめにはたらく人を見上げ
地べた這いずり回り泥の水すする
おとろえていく脳とからだ 死ぬことが怖くてしようがなくなる夜
《こんなはずじゃなかった》と
その言葉だけ 絶対飲み込み
《むかしのじぶんを忘れてもいいが》
《むかしのじぶんの否定だけはしない》
輝くこと 諦めた星から
流星となって 地上に堕ちること
知っていても 守れないときがあった
《あんたは 今なにを見上げている》
《あたいには 夜空を見上げてもなにもみえなくなっちまった》
それならあたしの目をみてごらん
ひとみのなかに 今あたしがみている星達がみえない?
それはあなたがかつてみせてくれたんだよ
おぼえてない?
アンタノタメナラコノマチダッテコワシテヤル
あなたのためなら 今度は あたしが セカイトタタカッテヤル
あけない夜のないことを
今夜あなたにおしえてあげるね
あけない夜がないように
あなたの夜もあけるから
かならずあたしがあけさせるから
神様と戦ってだって
悪魔に魂を売ってだって
あしたにくさびを打ち込んで
あなたを片手で抱きかかえ
はいあがっていってやる
時に追いすがり
そして追い越して