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気まぐれ勇者と真面目な英雄  作者: teddysora
殺戮者と妹
2/8

思想と真実

ドクン...ドクン...と心臓の音が鳴り響く...


体を抱え込むようにして、眠る一人の少女がそこにいた。浮いて自由に浮遊していた彼女に黒い手が忍び寄る。黒い手は、少女の心臓を突いた。瞬間目を瞑ったまま、少女は悲鳴を上げ、もがいた。心臓がつぶされているのに死なずに足掻き続けていた。泡沫の物ではなく永遠に...

...ぁ...ぁあ......


「うわぁ!...はぁ...はぁ...」


俺は勢いよく飛び起きた。体が異常なまでに軽かった。俺は自分の手を見てすぐに腕に目が言った。手首には自分がゲームで使っていたキャラが装備していた赤色の腕輪。青と赤の柄が入った民族衣装のようなもこもこした胴装備は、耐寒効果を高めるためか、膝より下まで長く伸びている。腰には、腰巻と、その上についたベルトにはサバイバルナイフやポーチが付いている。レギンスはスポーティージーンズみたいで、動きやすくなっている。靴はブーツなのに、凄く軽く、履きやすく、足音がほぼならなくなる。首元には、軽くマフラーがまかれていて、頭にはもこもこの耳あてが付いている。

状況を読み込むのに精いっぱいだったが、目線を下げた時に胸元に大きなふくらみがあるのを考えると、


「ここはマジックブレイダーオンラインの中か。」


俺は確認したいことがあり、どうにかUIを出せないか、いろんなことを試してみたが何も起きなかった。試しにポーチを開くと「ステータスメモ」というものを見つけた。開いてみると、そこには俺のステータスが書かれていた。


「久しぶりに見るな...せっかくだし最後まで見るか...」


LV1865

HP4887650

MP6837948

AP2333455

AGI5654372

バッグの最大容量33000t


SKILL

ブレステイク

ドローズストライク

無双剣翔

フィジカリーライジング

明鏡止水

鳳凰宿し

オーヴァーパワー

ナイトメアーブレイク

フェーズシフト

クロスエフェクト

ミラーシールド

スネークディメンション

MAGIC

エンペラーフレイム

エクスカイザー

スーパーノヴァ

アイシクルミサイル

アイスウォール

ライトニングドリューサー

フェイトエクレアー

サンダーストライク

ダークオブシュート

メガダークボール

フルヒール

SPSKILL

意思疎通

(モンスターと意思の疎通ができる)


俺は最後まで目を通すとステータスメモを閉じてポーチにしまった。次に、装備一覧表と描かれた紙を見つけた。


装備中

メイン武器:デュランダル(未二つ名化)

サブ武器:フラガラッハ

頭装備:雪牙獣の耳あて

胴装備:雪牙獣の胴衣装

腰装備:雪牙獣の腰巻

足装備:雪牙獣のレギンス

アクセサリー1:雪牙獣のマフラー

アクセサリー2:雪牙獣の腕輪


全ての装備を見終わったところで、すっかり日が暮れ始めていることに気づいた。


「アレ?俺そんなゆっくり見てたのかな?まぁいいや。近くの町を目指そ...いや、ネギ吉の場所に行くか」


といい装備一覧表をしまいポーチから地図を探し出した。


「唯一のフレンドだから載ってると思うんだけどな...ありゃ?載ってない。うーむ...もう遅いし安否確認は明日かな。だけど大丈夫かな...他の人たち...混乱してないといいんだけど...」




「君がコズキ君か?」


声が聞こえた瞬間体の感覚が消え、意識の世界に送り込まれた。その世界は真っ暗でどこまで広がっているのかわからないようだ。その中に一人だけ。ぽつんと突っ立っている白いワンピースを着た女性がいた。凛々しく赤い瞳に、黒いロングヘアが似合っている。彼女はずっとこちらを見つめている。彼女の周りだけ異様に明るい。少ししたとき口が動いた。


「一応レベルで示される限り君が一番この世界で強いことになる。ヒットポイントとやらもしっかりあるようだが急所に当たれば死ぬ。まぁ守備力と攻撃力などのすていたす?やらはそのまま力として反映される。安心したまえよ。っとすまない。今君が考えてもなさそうなことを口走ってしまったか。私の悪い癖なんだ。」


彼女は少し笑い、後頭部を少し掻くようにして、ごまかした。


「まずは自己紹介だ。私は、ニュクスだ。一応君につくことになった神だ。よろしく」


「よ...よろしく」


俺...私は?差し出された手をおずおずと握る。


「はは!自分が男か否か戸惑っているようだな?その答えは、否だ。コズキはこの世界に今まで女として、生きてきた。今の現状君の見た目は女だしな。自分を女として考えてみるといい。面白くなってくるかもしれないぞ?」


「あの...」


私はこの世界に来て、一番最初に思ったことを単刀直入に聞いた 


「この世界に飛ばされた人たちは、今もまだ混乱してると思うんです。」

「ああそうだな。」

「その人たちを助けることは...」

「あってはならない...事情を説明してしまえば大混乱が起きてしまう危険性がある。彼らは次第にこの世界に馴染む。それまで気長に待たなくては。」

「それじゃ...それであなたは納得できるんですか。」

「こんな話ゼウスだって納得してないさ。私は、君のいた世界で交流があったものも助けられずに黙ってみてるだけだった。死んで天国に行くなんてそんなものはない。死ねば死んだで思考回路は停止し、二度と目覚めることはない。目覚めたとしてそいつには記憶がないから死んだも当然だ。私たちは宇宙全体を見てきた。だが死んだあとに天国に行く世界なんてどこにもなかった。ともう時間みたいだな。ほとんど私の無駄話ばかりですまない。君は君の救える命を今は救うといい」


声を出そうとしたが出せず、意識の世界から解放された。気が付くと、そこには見慣れない天井があった。何かの宿屋の感じがした。


「あ、起きた起きた!無理しないでねぇ!今なんか消化にいいもん出すから。」


元気な若い声でどこかおばあちゃんらしさが感じられる口調で少しほっこりする。私は、体を起こし、少し周りを見渡すと、そこには、薄ーいピンク色の手入れされたショートヘアーの、少しばかりタレ目の女の人がそこにいた。


「はいこれ。朝ごはん!」


と言いながら出されたのは、あちらでよく見かけた白米に魚の塩焼き、野菜の盛り合わせと牛乳のいたってシンプルな朝食。


「ア...ありがとうございます...」

「うん、どうぞ召し上がれ!いやぁ、ほんと森の中であなたとそこにいる二人の子たちが倒れてるの見た時はぁびっくりしたよぉ。力あげといてよかったぁ~って思った時だったねぇ。」


私は何でこんなこと聞こうと思ったのかは知らないが、一つ質問をした。


「あなたは女性ですか?」


すると、少し驚いた表情をすると。


「あなたぁもしかしてあちらの世界の人だったの?あぁ~!私も私も!あちらでは普通の影の薄い女の子だったんだけどねぇ~。こっちに来て一気に変わったねぇ~。最初は絶望したけど、自分が自分でいられる場所ならって、いうのでねぇ。もうこっちの世界の人でもいいやぁ~。みたいになっちゃったのよ。」


私は驚いた。もともとは影が薄い普通の女の子だった人でもすぐにこの世界になじめていたりもする。こういう人たちがいるなら安心かな。と一息つく。それを不満だった。と捉えられたか「なんかごめんねぇ~...」と言われてしまった。


「あ、そうだ!あたしあなたの名前聞いてなかったわぁ~。教えて教えて!私はエル。」

「私は、コズキです」

「きゃぁ~!そんな有名人さんだったなんてぇ~!なんか思ってた人とは違ったわぁ。ふふ、今はまだ泊まるところないでしょ!なら家泊まってってぇ~。大歓迎よぉ~」

「じゃぁお言葉に甘えて...」


すると彼女はすごく喜んだ感じで。俺を迎えてくれた。さっきの二人の子たちは、後ほど知り合いが引き取ってくれていた。私はエルさんに感謝をしなくてはならない。ともあれ私はしばらく止めてもらいうことになった。明日、しばらくぶりに軽めのダンジョンに潜ってみようと思う。










今私はエルの家の裏にある。鍛冶室に来ている。こんなところで何をしてもらうのかというと、武器の研磨ダ。私自身も研磨はできるが、機器が上位品ではなく、少し安物で、磨きあがりがあまり綺麗とは言えない。だから、研磨してもらっている。ここには上級品が、ずらりと並んでおり、そのどれもが、上の上の物。触って壊してしまったなんてことしたくないので、触る気すらも失せルアイテムが勢ぞろいだ。


「ありがとう。女ことまでしてもらっちゃって。」

「いいのいいのぉ~♪これも私の趣味だからぁ~」


この会話の後仕上がるまでお互い一言も話さなかった。

「できたよぉ~」


沈黙を平然と破ったのはエルだ。綺麗に磨き上げられた自分の剣を見て思わず「おお!」と声を上げてしまった。


「この世界で、一~二を争う武器の研磨なんてしたことなかったけんど、うまくいってよかったぁね!」


これで次のダンジョンも綺麗な気持ちで行けそうだと、久しぶりに思った。

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