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その時日本は、、、  作者: 林 たろう
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その時日本は、、、その四

関からの手紙を二回だけ読むと猟は何も言わずに部屋の中央で灯油缶の中で木が燃えている所へ手紙を入れた。側で不思議そうに見守っているミチルに[兄ちゃん、今から次郎叔父さんとこにちょっと顔出してくる。すぐに戻るから温かくしてろよ]とだけあの日以来初めて妹のミチルに嘘をついた。外に出る前に後ろ姿のまま[あ、俺の大事な物をしまっている木箱に例のお前が欲しがっていた愛用の小さなペアペンダントナイフが入ってる。誕生日プレゼントにあげるな]と言って出て行った。ミチルの[誕生日は来月よ。]と言う声を背中に受けながら。猟には天性の勘があった。関からの手紙には嘘偽りがないのと同時に手紙の封があけられICチップも巧妙にすり替えられているのは直ぐに分かった。何かの電子機器では解析されやすいのとそういった機器を持ちえない状況の中で旧日本国において歴代の総理大臣にしか渡されない命令権を持つICチップを手紙に張り付けた関の思いの前には関の事は恨みようもなかった。また、家を出てから自分に監視の目を光らせる手練れの工作員二人にはすぐに気づいた。猟は始めから八方塞がりの状態に置かれた。と、同時に快総統の真意を読み取っていた。[自分をすぐに殺さなかったのは俺を泳がせて生き残りの戦友全てを捕らえるつもりだ。その上快総統は自分に興味を持ったようだ。元日本国機密情報偵察員の俺に。元首相自らの手紙を受けとる人物となればかなりの部分が快総統には筒抜だろう。次郎には会わずに真っ直ぐ正の店を目指した。周りは既に夜のとばりがおりていて、雪は本降りになっていた。店につくとドアを五回叩いた後に遅れて三回叩いた。すると小屋の中から正が緊張した顔でドアをあける。何も言わずに猟を店小屋にいれるとドアを閉めた。蝋燭に火を灯すと正が車の鍵を猟に手渡した。[こんな日がいつか来るんじゃないかと思ってた。猟ちゃん、、いや猟大佐。余程の事だろうから聞かないが。死んだらだめだぞ。帰りを待ってます。]と涙目で言う。[正さん。いつも有り難う。時がもしそれを望めば帰れるでしょう。が、、]と言って首から下げていた小さなナイフを正に手渡す。[妹の事だけは頼みます。北朝鮮の連中に捕まりそうな時、助けるのが無理なら殺してあげて下さい。必ず次郎叔父さんには二日後に自分の身分を告げて下さい。]と言った。正は[猟ちゃんの命の次に大切なペンダントナイフじゃないですか。今回はそこまでの事なのか、、分かりました。妹さんと叔父さんの件は命にかえて遂行します。武運を祈ります]と直立不動で猟に敬礼を施した。

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