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魔界編 第12話 後 先送りでございますか?

キス? あれ…もしかして…いや、そんな…


「確認するけど、ほっぺたにキスしたいよね」

「ふふ、リリーナ冗談下手すぎ」

「えーと、アサは私のことをどう思うの?」

「私の口から聴きたいんだぁ。相変わらず意地が悪いのね、リリーナ。好きよ。あなたに恋してる」


うわー…


「アサの気持ちについて考える時間が欲しい」

「リリーナ…分かった、いい返事を期待してる」


女の子同士、しかも前世の娘である私に恋してるなんて…


そういえば、すずしろの頃に考えたことがあるんだ。同性愛者カップルって、必ず両方同性愛者なのかな? 例えば、親友がレズで、自分のことが好きとしよう。自分が同性愛者でなくても、必ず断ることはない。だってさ、思うでしょ。断ったら、彼女は二度と好きな人に出会えないかもしれないって。それに、断ったら友達ではいられないかもしれない。そもそも、異性愛者でも、両思いで結ぶカップルはそんなに多くないと思う。だってほら、 条件のいい伴侶って、虚栄心を満たせるでしょ。生活も考えなくじゃならないし。異性愛者でも、両思いになるのは難しいと言うのに。同性愛者はなおさらだ。何より、私、男にあまりいい印象はない。アイとニーナの時酷い目に遭ったからな…えーと、つまり、アサだってありと思う。


でも…私はすずしろとアイとニーナの記憶を持ってるのに、すずしろの前の記憶はない。ということはこの三つの人生は何かがおかしい。多分、今私が持つ力と関係してると思う。そして、今はもう解放された。つまり、リリーナなら幸せな人生を送れるはず。


どうしようかな。とりあえず、返事を先送りにしよう。最低だ、私。あははっ。

今日はもう寝よう。


「あ、リリーナ、ようやく起きた」

「どうしたの?」

「大変だ。勇者が来た」

「え? 暗殺って明日じゃなかった?」

「そうだけど、来たの。はやく正門へ」

「落ち着いて。今私達が正門に行ったら勇者とつるんでいたのかって怪しまれちゃうわ。どうせ人間語を分かるのは私達しかいないから、呼ばれるまで待とう」

「冷静だね」

「まあ」


ゴンゴン。


「来た」

「あの、リリーナ様。早く正門に来るように、ご当主様が」


勇者が何しに来た…


「すず、あの腰に下げてるのは聖剣でしょ? こいつは勇者でしょ? 彼は何を言ってるの?」

「ユアンさん、どうしてここに?」

「話は聞いた。決闘しに来た。あいつに教えてやれ。僕と聖剣、あいつとドラコンで勝負だ。僕が負けたらこの命を差し出す。僕が勝ったらリリーナちゃんを解放してやれって!」


なるほど、流石勇者だ。




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