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魔界編 第12話 前 誤解でございますか?

「え!? あっ、ああ、今朝の話? 握手しただけよ」


惚けるのか…


「今朝ではなく、先の話だけどね」

「先?」

「先見たよ、アサが勇者と話してるところ」

「まさか、リリーナは私を尾行したの? ひどい!」


逆キレ?


「親しき仲にも礼儀ありだと思うけど」


これは1本取られた…だーけーれーどー、優位に立ってるのは私なの。


「そんなに焦らなくでも、別にアサを責めている訳ではない」

「リリーナ…じゃなくてー。私がリリーナを責めているのよ。どうして私を尾行したの?」


調子に乗っちゃって…


「だって、私はアサが迷ってるかどうか心配したからぁ…どうして私がアサに責められなければいけないの?」

「あっ…ちょっと言い過ぎちゃった? ごめんよ。心配してくれてありがとう」


甘い! それともバカ?


「じゃあ、話戻るけどぉ。アサ、勇者と何を話したの?」

「そ…それは…」

「私はアサを責めてる訳ではないから。ただ、アサの口から真実を聞きたいだけ」


どっちかお母さんなのか…


「リリーナ、本当にごめんなさい。私は勇者をあいつを殺すように仕向けた」

「よく出来たね。まあ、アサの気持ちも分からなくもない」


貴族生まれだからきっと魔族の悪口を聞かされて育ったんでしょね。ドラコンから死霊術を習った時見せたあの反応も。やはりアサは桜子…ううん、アサはドラコンナイトを憎んでいるんだわ。


「リリーナはわたくしの気持ちを気づいてくれた?」

「うん、まあ」

「いつから?」

「そうだな。ドラコンから死霊術を習った時は薄々気づいてた。勇者との話しを聞いて確信した」

「リリーナはどう思う?」

「まあ、仕方ないだと思う」

「リリーナは自信があるのね。実際可愛いし」


あれ? なんか微妙に話が噛み合ってない?


「ところで、アサは桜子を殺してどうするつもり?」


大佐もイエス!魔法戦隊ファイブの一人で死霊術師だ。大佐も殺すつもり? それに、ここに住めなくなるし。


「リリーナとの二人暮らしに戻りたい」

「同じ部屋に住んでるじゃないか」

「リリーナがドラコンに呼ばれるのも、ドラコンナイトのために働いてるのも、見てて辛い」


どうしよう…せっかく桜子に会えたのに…


「アサ、どうしても桜子を殺したいのか?」

「リリーナに嫌われたくないから勇者を利用したの。リリーナにバレた時点で桜子を殺すつもりはなくなった。仕方ない、明日勇者にすべてを打ち明けよう」

「勇者からの信頼を失いたくないが、仕方ない。じゃあ、そろそろ寝よう」

「ちょっと待って。リリーナは私の気持ちを気づいたでしょ」

「うん」

「じゃあ、手を繋いでいい?」


うん? 魔族嫌いと手を繋ぐのはどう関係するの? あ、側に人間がいると実感したいんだね。


「いいよ」

「じゃあ、抱っこしても?」

「うん」

「じゃあ、キスとか?」

「え…?」


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