魔界編 第11話 後 尾行でございますか?
「暗殺? 勇者なのに、こんな、姑息な…」
「姑息ですって? では、リリーナを見殺しにするのおつもりですか? あなた方のせいで魔族の手先になったリリーナを…」
「それは…」
「じゃあ、具体的に何をすればいい?」
「簡単です。明後日、リリーナとあの悪魔、クネス・スネークはイエス! 魔法戦隊ファイブの会議に出席する予定です。内容はあなた方が魔界にいらしゃった理由についての報告と言ったところですかね。その帰り道でクネス・スネークを襲うのです。ドラコンナイトと言っても、ドラコンがなければ普通な魔人です。恐ることはありませんわ」
「ユアン、これは僕達の責任だ」
「分かってる。でも、こんなやり方って…」
「今日会ったあの子の命が掛かってるんだ、しっかりしろ!」
「そうだな」
「ドラコンナイトを倒したあと、ドラコンナイトの家に行って、ドラコン達も始末すれば、リリーナの命を脅かす者は無くなります」
「ドラコンも?」
「はい。ドラコンも、あの忌々しい角を通じてリリーナを殺すことが出来ますから」
「でも、僕達二人であのドラコン達を倒せる?」
「御心配なく、ユアンさんが持つ聖剣ならあのドラコン達を倒せます。聖剣ならあのドラコン達の攻撃を防げるし、死なないはずのあのドラコン達も殺せる」
「でも、聖剣しか殺せないドラコンを暗殺したら、ユアンが犯人だって分かるよ。戦争に発展することも…」
「あのドラコン達は殺したら消えるから証拠になりません。私も後始末しますから」
と、アサは勇者と先輩を唆してる…
アサは本当に勇者に恋したのかが気になっちゃて、後をつけたら、まさかこんな展開になるなんて予想もしなかった…
アサは何故か桜子を殺そうとしてるけど…え!? 仲悪かったの? うん、アサ、魔人が嫌いみたいだし、桜子にやけに突っかかるし。でも、殺意を抱けるほど憎いとは思いもしなかった…
ここでアサの嘘をバラすのもいいんだけれど…まあ、アサの言い分でも聞いたからにしよう。じゃあ、先に家に戻ってアサを待とうか。
「お帰り、アサ」
「ただいま、リリーナ、まだ起きてるのか?」
「ええ、アサを待ってたから。ねぇ、アサ、何処に行ったの?」
「えーと、そう、道を覚えるためにちょっと辺りを回っただけ」
「そうか。道を迷ったら大変だもんね。魔人語話せないから道も聞けないし」
「そう! そうなの」
「で、勇者と何を話したの?」