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序章 第8話  またでございますか?

「佐倉桜子、お前の番だ。」


 「はい。」


 「お前の点数は16396点だ、転生したい世界を選べ」


 「え!?16396点!?」


 「1396点はこのリストにある、15000点はボーナスだ。」


 あたしって本当に何もいい事したことないね、396点は前世からの残りと虫を殺したマイナス点、すずしろと友達になったのも点が貰えた、あの子、実は寂しかったのかな?1000点は殺されたから。でも、この15000点は何?


 「あの、15000点のボーナスはなんですか?」


 「お前が知らなくていい。」


 いいけど、15000点があるから、どうでもいい。転生したい世界が・・・この魔力がある世界に興味がある。


 「この世界では、魔力で何が出来るのですか?」


 世界の平衡を考えば、魔力は何でも出来る訳ない。


 「この世界は魔力が溢れている、人間は属性魔法を使える。」


 ゲームのやつか、あの子、ハリー・ポッターが好きだから、きっとハリー・ポッターみたいな世界だと思って、選ぶでしょう、あの世界で会えるかも。


 おかしいな、もう死んだのに、あの子の事ばっかり思っている、あたしにとって、あの子はこんなに大切な存在になってたのか・・・


 黒竜騎士、面白そう、すず、あの世で待ってるよ。


 前世の記憶を承継だと、やばい、点を使い果たした、5000は高過ぎだろう!


 「あの、振り分け直し出来るかな?」


 「駄目だ、はい、次の人間。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


そうだ、あたしはすずしろ、アイではない。


 いや、アイでもある。成程、アイだった頃、時々思い出したあの記憶は、すずしろの記憶だった。


 あの記憶がなければ、弟や妹達と足りない果物を分けて、何も気づかずに侵されてた、とりあえず体力さえあれば、犯されても死ぬことはないでしょう。結局、どうしてあたし、まだすずしろだった頃の記憶を持ってるの?すずしろは、前の記憶を持っていなかったのに。


確か、記憶の承継は5000だったけ、あたし、点の振り分けをしなかったはず。そういえば、アイの顔はすずしろの顔でした、アイが周りと違う理由、今分かった。


え!?アイは十八才なのに、十八年も経ったのに、何故すずしろの記憶がまるで昨日のように、鮮やかなの?


そもそも、アイの世界って、どの世界?文明がない世界には人間がいない、だから違う。アイの世界は魔力もないし、水の中にいるわけでもない、動物も喋らないし、科学技術も・・・

 

 もし神様の言葉が分かったなら、今の状況を分かったのだけど。神様は外人さんみたいで、日本語がしゃべれるけど、神様同士で喋ると、何が別の言語で喋る。


 そういえば、あの若い神様、あたしの事、ずっと悲しい目で見てた、泣いてたし、どうしてでしょう?いや、神様を堕落させたと言ってなかったか?まさか・・・


 あたしと神様の接点は無いはず、いや、ちょっ、まさか、確か、あたし、いや、すずしろが死ぬ前に、運が凄く良くなった、あれって、神様の仕業?


 いや、でも、あたし何も知らないし、なんであたしがこんな目に?あっ!分かった、つまり、神様が、あたしの事、可哀想と思って、あたしの運を強めた、でも、それはいけない事、だから、あの若い神様が罰されて、そこで、若い神様が、全ての責任をあたしに押しつけた。


 けど、合理的な推理は必ず真実とは限りません、例えそれが真実だとしても、悪気があってやった訳でもなさそうだし、まだ若いし、いいよ、あたしが責任を持つよ。


 いや、待って、では、なんであたしは死んだの?運が良くなったはず、そうだ、あの時、体が動かなくなった、まさか、神様があたしに対してのえこひいきがバレたあと、口封じのために・・・じゃ、あたしは神様のせいで、お母さんと死に別れたの?


 だ!か!ら!結論を出せる程、情報が足りてる訳でもないから、いくら考えでも無意味だ、こんな事考えるのをやめよう。


そのうちすずは、考えるのをやめた。


 おかしい事がもう一つある、あたしの魂を滅ぼすと言ったけど、どうしてまた転生したの?これについて心当たりがある、転生する前に、あの若い神様があたしに光を浴びせたよね?ほら、やっぱり、若い神様は悪い神様ではない!


 けど、あの光は何をするものかわからない、何一つ結論を出していない。それに、例え、これが真実だとしても、あたしは何も出来ない。


 って、考えるのをやめたんだった!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 いつのまにか、あの裁判所に戻った。


 彼女にとってはもう十八年が経ったけど、我にとって、一時間も経っていない、こんな短い時間の中、彼女の身にこんなに沢山の不幸が訪れた、死ぬ前に見せたあの表情を見る時、なんて事をした、我は!と思った。きっと、彼女にとっては、魂が消されてた方がよかった。


 あの結界、条件を満たさない限り、我自身すら解けない、いつかは彼女を楽にさせる。殺意があっても、まだ彼女を愛してる限り、結界は解けない。


 「どうだ?彼女の魂はどんどん汚されていく、いつの日か、お前はあの人間に、愛した者に、憎しみすら抱く、何故こんな人の為に、我に盾突いたと。」


 「そうだな・・・」


 「ようやく理解したか?」


 「そうだな、神王様は、愛を知らないからね、だから何一つ分かっていなかった。」


 「お前、まだ言うか!よかろう、次の脚本が待ってる、お前が愛と言うくだらん物を捨てるまで、あの人間の魂を汚す。」


 「おい、やめろ!」


 「覚えてろ、お前のせいて、あの人間がこんな目に遭っているんだ!」


 「そんなこと、わかっている!誰よりも!」



 

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