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魔界編 第3話 報告でございますか?

ふむ、死霊術のテストは済んだし、イエス! 魔法戦隊ファイブにも入り込んだし。ちょっと休もう。今やらなくちゃいけないことといえば、うん…ドラコンさんに報告すること。


けれど、はぁ、良い勝ち方とは言えないし、どうしよう…うん、とりあえず報告をしに行こう、待たせたらまた拗ねるからな。


「ドラゴンさん、朗報がある、私、イエス! 魔法戦隊ファイブの大佐さんに勝ったよ」

「遅い! 遅い遅い遅いぃ! 」


ほら…やはり拗ねてるじゃないか…


「大佐とやらの死霊術はどうだったの? やはりあたしの死霊術とは比べ物にならない」


うん、やはり聞くよね…


「えっとね、大佐さんは死体がなくでも、土があればアンデットを作れるけれど、個々の実力があまり高くないからね」

「そうかそうか。やはりあたしは一番強い死霊術師だったんだね。で、みんなはあたしの強さを知ったのか? あたしを称えるようになったのか? クネスは? あたしを選ばれなかったことを悔やんだか? ねぇ? 」

「そ、それは…」


あ、すっかり忘れた…しまった、どうしよう?


「ごめんなさい、ドラゴンさん…」

「え、何? どうして謝るの? 」


考える時間が…


「えーとね、この勝負の結果を知っているのは大佐さんと私、ふたりだけだから…」

「じゃあ早速みんなに教えよう」

「私みたいな小娘があの名高いイエス! 魔法戦隊ファイブの大佐に勝ったなんて誰も信じでくれないと思う…」

「じゃあ、全ては無駄だと言うのか? 」

「そんなことないよ。私は大佐さんにスカウトされたよ」

「何かスカウトだ、リリーナが勝ったのに、あたしの死霊術の方が優れるというのに。嫌だ嫌だ、そんなの嫌だっ! 理不尽だっ! 」


いやいや、実際大佐さんの死霊術の方が全然強いよ、死体がなくでも戦えるし、暴走しないし、一度大量の死体を蘇ることもできるし。

ホント、このドラゴンの相手すると疲れる。


「焦らないで、ドラゴンさん。私が大佐さんの秘書になったということは、これから他人にドラゴンさんの死霊術を見せつけるんことができるんだ」

「また待たせるのか? いつになったらクネスがあたしを選ばなかったことを後悔するのだぁ? ここは寂しいよ、壁しかない。リリーナ、ずっとここに居てよぉっ! 友達だよね! 」


どうするの? これ…うん、けど、気持ちも分からなくもないし。何より、桜子と同じ屋根の下で暮らせる。私は桜子の生活に溶け込むために大佐さんの秘書になったの、桜子の家で住めるのは願ってもない話かもしれない。


「うん、私達、友達だもんね」

「まさか、本当に、嬉しい、リリーナ大好き! 」

「ちょっと待って、ここで住めるかどうかは私が決められることではない、さく、あ、いや、クネスから許可を貰わないと」

「あの小娘の許可なと」

「ダメよ、この屋敷は彼女のだから」

「わかった、早く許可を貰いに行って」

「ではまた後で」


でも問題はある、アサはまた人間だ、食事をとる必要がある。ここから食べ物を買えるところに行くのに、一時間もかかる、どうしようかな…


「リリーナだけど、入っていい? 」

「いいよ」

「大佐に何もされていないよね? 」

「ないけど」

「よかったぁ、リリーナは押し弱いからな、すごく心配したよ」


押し弱い? はぁ、私が? ない、ない…けれど、そう考えてくれで本当に良かった、だって、私を助けてあげたくなるからね。ホント、昔から全然変わっていないよね、桜子は…そう、私は桜子に昔のことを思い出せて、幸せになるの。


「えーとね、話したいことがあってね」

「もしかして、本当に大佐に…」

「い、いや、そうじゃないの。実はね、ドラゴンさんが一人で寂しくて、私がここに住んで欲しいと…」

「なんだ、そういうことか、全然問題ないだけど」

「ありがとう」

「はぁ、びっくりした、リリーナが大佐に何をされたと考えるとヒヤヒヤするから」

「それなんだけど…」

「え、何? もう、焦らさないで」

「私、大佐さんの秘書になった」

「は、はあーっ!? 」


やはり、大佐さんはみんなに嫌われてる、特に女性に…悪い人じゃないと思うけどな…でも、私の前に芝居をしている可能性もゼロじゃないからな…


「今から大佐の家に行こう、大丈夫、私が付いているから」

「大佐さんはそんなに悪い人では…」

「リリーナは騙されてるんだ! もう、本当に私が居ないとダメなんだから…」


で、出た、桜子の口癖!


「う、頭が…」


よし! 今がチャンスだ!


「どうしたの? 桜子! 桜子っ! 」

「頭が、割れる、う、く…」


また気絶したのか…椅子に寝かせよう…


最後はアサか、そういえば、前にアサが言った未来のためにって、何のこと? 忘れると大変なことになると思う…

未来、未来、私とアサ、何か約束でもしたのかな? ああ、思い出した、私がここにやってることは全てアサと一緒に暮らせるようにやっていると思わせたことだ。

それは困ったな、何か困ったというと、私はアサに、今してることは全部アサのためにと言ってるけど、大佐にも、全て大佐さんとセレンさんが付き合えると大佐に言ってるだけでなく、ドラゴンさんにも似たようなことを…


はは、四股かけてるね、私。


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