ドラゴン編 第10話 決闘でございますか?
会議って、何を話すんの? 確か、魔人の魔力量は人間よりずっと高いから、魔物にとって魔人は人間より数段美味しいだったんだな。それに、魔人は人間と違って、肉食べなくてもいいから、魔物を狩る理由はないんだ。だから、魔人は人間に魔物を押し付けたがる。
うん、ここで問題だ、今の私は人間なのか、それとも、魔人なのか? 見た目だけでは魔人なんだけど、実際どうなの? ご飯はちょんと食べているけど、魔人になったあの日から、一度だって腹が減ったことはなかった。
もし私は本当に魔人になっちゃったら、考え方も変えなくちゃならない。考えるのよ、私はこれから、人間として生きるのか、魔人として生きるのか?
あ、違う、そう言う考え方、私らしくない、もちろん両方のメリットを得って、デメリットを避けるべきだよね。
まず、人間のメリットは…
「この子よ! 」
何? 実は魔人ではないことがバレた? いや、魔人だし。
「何かご用でしょうか? 」
「何この子? お人形さんみたい」
ああ、そういうこと。 たまにあるんだ、私の、櫻子曰く邪魔しちゃ悪いオーラを突き破れてくる、空気読めないやつが。無視してもいいのだが、会議が終わるまで待たなきゃいけないし…ここは穏便に行きましょ。
「お姉さんも達もとっても綺麗ですよ」
「う、抱きしめていい? 」
抱きしめられたくないけど、今は耐えるしかない、あの言葉を言えるまで。
「角かわいい、鹿みたい」
来た、そう、やめさせたい時は、やめてでも、いやでもない。
「痛っ! 」
「あ、ごめん」
これで冷めない人はいない!
「君、名前は? 種族は? 歳いくつ? 」
「リリーナと言います、竜人です、来月で十三歳になります」
「じゅ、13歳、やだ、まだ赤ん坊じゃない」
あか…う、まあ、魔族から見ればそうかもしれない。
「それに竜人か、珍しい種族だね」
「竜の角だったのか、鹿だと思った、触っていい? 」
「だめよ、先リリーナちゃんを痛くしたじゃない」
「いいですよ」
もちろん触らせてあげないけどね、ここは目を閉じて、痛みを堪える顔をする。
「ちょ、リサ、やめたげてよお」
「ちょっと触るだけ」
この人、どんだけ触りたいの? でも、痛っは一度言ったし、本当、空気を読めなくて、人の気持ちを考えない人は苦手だ。
気持ち悪い、他人に触れられるのは嫌いだ。それにしても、この角、ちゃんとくっついてるね、髪のように、痛覚とかはないけど、触れられると感じらるよね。この角はもう私の体の一部なんだな。
「リリーナちゃん、鱗あるの? 」
「まだないだけど」
「おお、肌がすべすべ、若いでいいな」
もう限界だ。
「あんまり触らないでください」
「か、かわいい」
あ、逆効果だったか…
「ベタベタ触らないで」
「照れてる、うう、かわいい! 」
相手は女性だからやりにくい、これどうするの? あ、そうだ、助けて、リサの友達さん…じー…
「リサ、かわいそうだよ、やめなよー」
「でも…」
「でもじゃないよ、この子のことを教えた私の罪悪感が…ほら、話してあげて」
「わかったよ、リリーナちゃん、また会おうね、絶対だよ」
「あはは」
来ないからね、二度と来るものか。
ついに会議室のドアがついに開けた、もうすぐだ、もうすぐ帰れる。
「リリーナちゃん、待たせたな、さぁ、会議室に入って、二人で話したいことがあるだろう? 」
「はい」
実はこいつと二人きりになりたくないけど、仕方ないか…
「あの、大佐さん」
この魔人から目を話すな、背中を見せちゃだめ。
「何? 」
「早速本題に入ります、不死を司る竜って、知ってますか? 」
「ああ、スネーク家のあれだろう」
「はい、実はあのドラゴンは私の先生です、先生に先生の死霊術の方が優れてることを証明したくてここに来ました」
「ほう…」
「ですが、あくまでも先生一人に証明すれば良いから、別に本当に勝負しなくでもいいけど、何か大佐さんものを頂きたいのです。それと、死霊術を見せると助かります」
「もちろんだとも」
思ったより簡単だった、かな?
「一つ条件がある」
やはりな。
「聞かせてください」
「僕の家に来『お断りします』て…」
「本当に良いのかな? これはあのドラゴンが与えた試練じゃないのか? 」
最低だな、この魔人…これで私の弱みを握ったつもりか?
「違います」
「わざわざここに来た意味は? 」
「頑張った証拠になります」
「待って、何もしないから」
「いいえ、遠慮します」
「こうしよう、僕と勝負しよう、僕が負けたら僕は君の言う通りにするよ、僕が勝っても君の言う通りにする、けど、君は家に来て貰う、約束しよう、僕は決してリリーナちゃんが嫌われることはしない、これでいい? 」
話がうますぎる、怪しい…
「そんなに私を家に連れたかったのですか? いつもそうやって女の子を騙すのですか? 」
「違うだ、僕は…」
「大佐さんは? 」
「実は…」




