ドラゴン編 第9話 会議いでございますか?
アサとドラゴン、どっちの味方をすればいいのかな…
はぁ、アサ、分かってくれ…
私はアサの手を握った。
「ドラゴンさんの呪文の方がカコイイ」
「リリーナ…」
「はは、やはりそうか、アサとやら、聞いたか? 私の呪文の方が十倍カコイイってさ」
ドラゴンめ、調子乗り過ぎ…アサ、悔しそう。
「でも、アサの呪文は私にビッタリで、好き」
「リリーナ! 」
「アサ、ありがとう」
「リリーナ! リリーナ、リリーナ、リリーーナ!! 」
アサが私を抱きしめた、うん、一時どうなるかと思ったが、結果オーライ、かな?
「おお、おお、二人の世界に入り込めばいいのよ! 私は外に出て、友達を探そうかな? 」
またか…全く、面倒なドラゴンだ。
「あ、ドラゴンさん、私、明日大佐とか言う魔人を会いに行くよ」
「大佐? 誰それ? 」
「ドラゴンさん以外に死霊術を使える魔人のこと」
「あ、ああ、もちろん覚えているよ」
「何か大佐に聞きたいことないの? 」
「ないよ。あ、身の程知れ、とでも伝えて」
「う、うん、ではまたね、ドラゴンさん」
「おお」
はぁ、上手く話を逸らせた、本当、単純で助かった。
「リリーナ、明日何時起きる? 」
「あ、私一人で行くから 」
「なんて? 最近、リリーナは一人行動し過ぎ」
「でもアサ、分かるでしょ、私が行こうとしてるどころは魔界戦隊ファイブの会議なんだよ、私は、ほら、この角があるから大丈夫だけど、アサは何処から見っても人間なのよ。いくら魔人は人間のことを詳しくないと言っても、危険過ぎるよ」
「でも…あ、私にも角をつければ」
「あのね、角を付けても、アサは魔人語が分かんないでしょ。ドラゴンと話す時みたいに、私が翻訳してあげたら、怪しまれるでしょ? 」
「それは、まぁ…」
うんうん、今回はいい言い訳をした。
そういうわけで、私と桜子は、魔界戦隊ファイブの会議に出席することになった。
「おはよう、リリーナ」
「おはよう、さく…クネス」
「緊張してる? あたしも、初めてこの会議に参加した時はすごく緊張したよ」
緊張はしていない、だってそうでしょ、魔界の偉いさんと言っても、別に人間を食べるわけでもないし、そもそも、魔界戦隊ファイブに会うのは、これが初めてじゃない。そう、前にも、火のゴーストと言う…
あ、そう言えば、以前、火のゴーストを騙したことがある…うん、どうしよう? 緊張してきた。
「大丈夫、手のひらに、こういう模様を描けば」
これは、人の字? ははっ!
「ねぇ、この模様は? どうして手のひらにこんなのを書くの? 誰に教えて貰ったの? 」
「これはあたしが思いつきた、ちょっとしたおまじないみたいなものなんだけど」
「そう」
まだ覚えているのか? それとも、私が思い出させたのか?
「小さい頃からそうしたの? 」
「いや、先思いつきた」
あ、これ、多分私が思い出させた、私の顔、すずしろのままだし。
でも、今はこう言うことを考える場合ではない、今は火のゴーストのことを考えよう。
私は彼を騙した、魔界戦隊ファイブの魔法は機密なんがじゃない、誰もか知っている、一般常識なようなものだと。
そうね、ちょっと想像してみよう…
『てめぇ、よくも俺を騙したな』
『え? どういうことですか? 』
『惚けるな、みんなは俺が使ってる魔法はどんなものなのか、知っていないじゃないか? 』
うん、どう返せば…ゴーストがどんな情報を握ってるのをわからない、これは、臨機応変しかない。
「おはよう」
「おはよう、クネス、あら、その可愛らしいお嬢ちゃんは? 」
「あ、この子はリリーナ、大佐に逢いにきたらしいよ」
「はぁ? あいつに? 悪いこと言わないから、あいつはやめた方がいいよ」
「あ、そんなじゃないです」
「大佐、ちょっとこっちにこい」
あの人が、大佐…人間と似てる。
「お、綺麗な女性だ、僕とは何処で会ったことがあるのか? 会ったことないよね? あなたのような女性を一度見たら絶対に忘れないからね」
うわ、こいつ気持ち悪い、こんな男が一番モテないよね。
「あ、初めまして、ちょっと二人で話したいことがありまして」
「もちろんいいよ、でも、会議が終わるまで待っててね」
「はい」
これでよし。
「おい、てめぇ、どうしてここにいるんだ? 」
あ、きた。
「ゴーストの知り合い? 」
「前に言っただろう、こいつだ、俺の魔法は機密じゃねぇって言った女、あの時はまだ角が生えてないけどなぁ」
「ああ、覚えてる、この子だったのか」
「てぇ、ゴーストの魔法、いや、私達の魔法は誰もが知ってる一般常識だったのか? 」
桜子の前で嘘をつきたくない、バレだら信用ががた落ちるから。うん、ちょっと賭けてみるか、あの時はスパイだと疑われたから嘘をついたけど、今はただ私の言うことが本当かどうかを知りたいだけ。
「一般常識と言うのはちょっと大袈裟だったけど、軍の偉いさんとか、貴族はみんな知っているよ、だからあの戦術は意味がないと思いますよ」
こう答えたら、あの質問をしてくるはずだ、そう、じゃあどうしてお前は知ってる?
「そうだったのか、ありがとう、助かった」
して来ない、本当に、馬鹿ばっかりで助かった。
もう心配しなくでいい、うん、そう考えて、リラックス過ぎた私も馬鹿だった。