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ドラゴン編 第8話  仲悪いでございますか?

「おかえり、リリーナ」

「ただいま」


アサはパジャマに着替えでいない、どうして?


「何処に行ったの? あ、いや、ちょっと心配しただけ」


うん、アサはクネスが桜子だと言うことを知らない、だから今日、例えアサに後をつけられでも、アサから見れば、あたしはただあのメンヘラドラゴンのために働いていただけ、だから嘘をつく必要はない。

そもそもさ、別にアサはあたしの彼氏でもなんでもないでしょう? どうしてあたしがこんな、コソコソしなければならないの?

うん…でも、なんが、アサの独占欲強そうだからね、いつの間に、アサを気にしつつ、他の人と話しをするようになった。

アサはあたしの寄生虫とわかり、アサがあたしから離れる心配はなくなったけれど、これはこれで困るな。


「あたしは死霊術であの大佐とか言う魔人に勝たなければならないでしょ、だからあの魔人を合わせてくれるよう、クネスに頼んでみた」

「そうか、ならあたしも連れて行ければよかったのに」


アサは呪文を考えなければならない…そう言いたいけど、次回桜子に会う時に、今回は呪文を考える必要はないから連れていて、と言われると困るし、もっといい言い訳はないのかな?


「リリーナ? 」


だめ、今は考える暇はない。


「アサが呪文を考えることに集中させたかったからね、呪文は変えられないもんね」

「そうだね、呪文はとても大事だからね、リリーナは先に寝てて」

「いや、お風呂に入るから、アサは入ったの? まだならアサも一緒にどう? 」

「いいよ、一緒に入ろう」

「どうしてアサはまたお風呂に入ってないの? 」

「あっ、あぁ、呪文を考えたら、あっという間に時間が経った」


嘘かどうかはわからないけど、今後はアサに見られてるつもりで行動すれば良い。


「ドラゴンさん、来たよ」

「おお、来たか、遅いから、来ないかと思ってた」


あたし、別に遅刻してないけど、相変わらずめんどくさいドラゴンだこと。


「あ、アサ、呪文は? 」

「はい、まずはレイスアンデット、『死せる者達よ、目を覚まして、目の前にいる生ける者達を糧にし、その肉を貪り食う、その血を啜り、己の肉体を作りたまえ、レイスアンデット!』 」


これは酷い、いや、センスはいいと思うけど、なんというか、ちょっとエグいよね。


「ははは、これはいい、実にいい、人間だからもっといい人をぶるかと思ってた」

「こんな意見は要らないよ、もっとこう、術の性能を上げられる助言はないの? 」

「ない、この死霊術はこれでいい、シンプルで消費が低い、ゾンビの凶暴性も上げられるし、いい、実にいい」

「あっそう、リリーナ、どう? リリーナの呪文を少しアレンジしたよ、リリーナらしさを保つつ、呪文を強化してみった」


アサはあたしに褒められたいのか? そうね、あたしが考えた呪文よりずっといい。


「素敵な呪文だね」

「ありがとう、リリーナ」

「おい、何が態度変わってない、あたしの扱い酷くない? あたしはドラゴンだぞ、もっとあたしを敬うべきじゃないのか? 」

「次はレイスサーヴァントだね」

「無視すんな」


あ、これは困ったな、このドラゴンめんどくさいから、落ちコンませたら面倒なことに…


「ちょっとドラゴンさん、敬われたら友達でなくなってしまう、それでいいのか? 」

「分かってる、ちょっと言ってみただけ」

「もういいの? ではリリーナ、これがレイスサーヴァントの呪文だ、『今、亡骸が新しい魂を迎え入れることになるでしょう。我が意思によって生まれし魂よ、我が言葉に従え、新しい体に入り、あたしのために命を捧げよ、レイズサーヴァント! 』」


お、すごく呪文ぽい!


「アサ、とってもいいと思うよ、ドラゴンさんはどう思う? 」

「ふんー、 まぁ、いいんじゃない? 」


何が拗ねてない?


「それだけじゃわからないでしょ、もっとはっきり言いなさい、何処が良かったの? 何処が悪かったの? 」


そして突っかかるアサ、この二人、仲悪いなの?


「何もかもが悪い、絶対あたしの呪文の方がカコイイ」


あ、そう言うことか…


「いいえ、わたくしの呪文の方がリリーナにピッタリで、カコイイですわ」


そして言葉遣いが元に戻ってるアサ…


「あたしのドラゴン専用の呪文の方が十倍カコイイ、なぁ、リリーナ? 」


そしてこっちに振る…


「ドラゴンさんのレイスサーヴァントの呪文は聞いたことないからなんとも言えないけど、アサの呪文はカコイイと思うよ」

「聞いたかドラゴン! あたしの呪文はカコイイって、さぁ、ドラゴン、お前の番だ、レイスサーヴァントの呪文を唱えでみなさい」

「あたしのドラゴン専用呪文はそう簡単に人に聞かせるのか? 」

「昨日、レイスゾンビの呪文を聞かせたでしょ、あたしもレイスゾンビの呪文を考えたの、これで勝負しようか。『月の満ち欠けのように、死者もまた新しい命を迎えることが出来るでしょう。死せる者よ、あたしの僕になり、再びこの世に蘇れ、レイスサーヴァント! 』 」


ワォ! これは、中々…アサに頼んでよかった!


「リリーナ、あたしの呪文は、あのドラゴンのよりずっと良かったよね」

「昨日、ドラゴン専用の呪文がカコイイと言ったよね」

「「リリーナ! どっちの方がカコイイ?」」


これは、困ったね、どうしよう?


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