表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/307

ドラゴン編 第5話  縄でございますか?

「ちょっと、リリーナ、待って、借りを作ることになるわよ、いやでしょう」

「仕方ないよ、アサも切れないと言うし」

「…」

「もう寝ましょう、朝早いし」

「ちょ、リリーナ! 」

「優雅でエレガントな令嬢、それは水。静謐な水面よ、安らかな眠りを与え給え、アクアスリーブ」


寝てしまいました…

どうして? どうしてリリーナは死霊術なんかに手を出すのですか? 死霊術だなんて…

火のゴーストや、土の大佐なとの死霊術師は、忌み嫌われていますわよ。 リリーナも、死霊術師だと人に知られたら、人間社会に戻れなくなりますわ。 なのに、どうして?


そもそも、リリーナはどうして魔王城を目指しましたの? クネス・スネクとおっしゃいましたか? 最初からその人と知り合ったのですか? 思えば、リリーナと別行動を取ることは、これが初めてですわ、どうしてリリーナはあの屋敷に? リリーナは最初から死霊術を習うためにここ、魔王城に来たとおっしゃるのですか?


そんな…止めようがないではありませんか…


いいえ、止められますわ、そうですね、リリーナは寝ていますし、縛りましょうか…


「自由でマイペースな少女、それは疾風。風の縄よ、敵を縛って。ウィンドロープ」


これでよし、はぁ、どうやってリリーナに説明すればよろしいでしょうか? わたくし、リリーナに嫌われてしまうわ。せっかくわたくしを頼り始めたのに…

大丈夫、リリーナに嫌われても、わたくしはリリーナを守ります、ずっと、どんなことがありましても。


はぁ、リリーナが起きると、どんな顔をするのでしょう。あ、リリーナが寝てる時にしたこともバレてしまいそうです。

何か別な方法がありませんの? もっといい方法がありませんの?

そうですわ、どうしてリリーナのことを信じてあげないのでしょう、リリーナは理屈が通じる人です、きっと分かってくれるはずです。それに、縄で縛られなくでも、リリーナがわたくしから逃げるなんて、できるはずがありませんわ。

そうと決めましたら縄を解きましょう。


「おはよう、アサ」

「おはよう、リリーナ。ねぇ、リリーナ、わたくし、ドラゴンの角を切れるかどうかはわかんないけれど、やってみたいと思う」

「うん、ありが…」

「でも! でも、ちゃんと聞いて欲しい」

「うん、ちゃんと聞いているよ」


あ、リリーナの瞳が、わたくしを映っておりますわ。


「どうしたの、アサ、あたし、聞いているよ」

「あ、はい。ねぇ、リリーナ、死霊術は人間の国では忌み嫌われているの魔法なのよ、死霊術を使えることが人に知られたら、もう二度とリリーナのお母さんと会えなくなるんのよ。ううん、狙われるかもしれないのよ、やは…」

「そうしたら、アサが守ってくれる? 」

「え!? 」

「守ってくれるの? 」

「もちろん! 」


あ…


「なら問題ないじゃないか? 」

「それは…でもほら、家族に会えなくなるのよ」

「大丈夫、アサとここに住むって、決めたばかりではないか」

「うん…」

「じゃぁ、これで決まり」


あ、止められませんでしたか。けれど、これはこれでよろしいではありませんか…あ!


「リリーナ、一つ聞きたいけれど、いいかな? 」

「なあに? 」

「リリーナはどうして死霊術を使うようと思ったの? 死霊術は誰を復活することなんて出来ないのよ」

「別に誰かを復活するために死霊術を習いたいわけではない」

「そうか…」

「うん、言ったでしょう、あのドラゴンさんに自信をつけるには、これが一番だって、だから別に死霊術じゃなくでも、習うつもりよ」

「そうだったのか…」


でも、それではリリーナが死霊術が使えることがバレるのも時間の問題です。わたくしがリリーナを守らなくでは。


「ドラゴンさん、来たよ」

「遅い! 遅い遅い遅い! お、この娘があたしの角を切れそうな人? うん、魔力量は結構高い、これなら行けるかも」


骨、骨ですわ!


「でしょう、アサは頼りになる」

「リリーナ! 」


嬉しいですわ! あ、もしかしたら、リリーナがわたくしのことで自慢したのは、これが初めてですの? うん、頑張りましょう!


「じゃあ始めよう」

「いつでもいけるわ、リリーナ」

「そ、そうだね、じゃあ始めよう、あたしも魔法バリアを抑えるか」


難しいですね、切断は風属性の下級魔法と中級魔法しかできません、例え魔法バリアを抑えても、中級魔法でドラゴンの角を切るなんて…でもリリーナのためにも頑張るしかありません!


「ちょっと、ドラゴンさん、動かないでください! 」

「怖いから仕方ないじゃないか…」

「大丈夫、魔法一発で角二本とも切り落とせるから」

「リリーナ、いくらなんでもそれは無理よ」

「出来るよ、アサ、あたしを信じて」


そうですね、リリーナは出来ますとおっしゃったなら必ず出来ます、リリーナを信じましょう。

集中しましょう、最上級魔法を発動させられる魔力を中級魔法の魔法回路に入れるように濃縮するのです!


「ウィンドブレイド! 」


やりました、二本の角がうまく切り落としました。

リリーナ、褒めてくださいますわね。


「お疲れ様、アサ。アサなら切れると思った」

「ぐわぁぁ、痛い、角がぁ! 」

「お疲れ様、ドラゴンさん、そうね、よし、良いものを作ってあげる、もちろんアサの分もね」


今ならはっきり言えます、リリーナとわたくしは親友です!







アサはリリーナに信頼されたい、見つめられたい、でも叶えられないから、夜で色んなことをしましたが、今回はリリーナを信じようと思ったから何もしなかったですねぇ。

ちょドラの読者のみんなさん、ちょドラを読んでくれて本当にありがとうございます、これからもよろしくお願いいたします。

愛されるより愛したい、でもハーレムは許さないと言う作品を書き始めた、リリーナと違ってヒロインのケイリはもっとゆったりして、ポジティブな思考をする可愛い子です。両方共々よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ