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序章 第6話 バカでございますか?

 眩しい、扉が開いた、お水くれるの?臭い過ぎで入って来ないと思ったら、あいつらがこの部屋に入った。あたし達をこの部屋から連れ出そうとしている。言葉が通じないから、仕方なく、この臭い部屋に入た。


 けど、ようやくお水を飲める、前のお水を弟達にあげた後、含むお水もなくなったから、喉が凄く乾いだ。


 この食べ物は何だか物凄く懐かしい感じがする、なんとなく知っていた、これはパンと言う食べ物だ、見たことないのに、時々そんな風に見たことがあるような気がする、一体・・・


 あっ、全部食べちゃ駄目、彼らの為に残さないと!でも、また残すの?どうせ悪いもの扱いされるから!あげるのは当たり前、あげないならずるい、いつも彼らの分を確保出来てから、自分の分を探す、なのに、一度も感謝されたことはなっかた!


 あなたは感謝される為に、彼らに自分の分の食べ物をあげたの?


 違う、あたしは彼らが満足で、笑顔で食べる為に・・・


 そんな必要は何処にある!自分すら満足で、笑顔で食べた事がなかったのに!


 何時から、あたしは弟や妹達のことを、自分より大事に思っているの?


 「XXちゃん、人に優しくする時は、心が暖かくなるのよ。」


 そう、あたしはこの一言のせいで、いや、お陰で、こんなバカになった。あれは雪が降った時のことだ。あれ!?雪って何?何故知らない事を思い出すの?


 「お姉さん、俺は男だから、沢山食べないと」


 「はーぁ、持っていきな、ちゃんと彼らにも分けてね。」


 こんな事をして、本当に心が暖かくなるのかな?あたしは根に持つタイプかな?船の一件以来、心が冷めたかもしれない。


 食べたあと、あたし達は見たことがない動物が引いている部屋に入りました。成程、歩く代わりに動物で移動するんだ、乗るのではなくって、引いて貰う!頭いい!でも、また暗い部屋か・・・


 でも、一体何の為にあたし達をここに連れた?お父さんとお母さんを殺してまで、あたし達を働かせる程、人手が足りない訳?海を渡る時、お水まで分けてくれた、あたし達そんな価値あるの?そもそも、お父さんやお母さんはまだ四十代だし、充分働けるし、なのに何故?  

 

 待って、二十歳以下って、まさか・・・


 いやいや、女性だけ攫う訳じゃあるまいし、そういえば、あの連中、あたしの顎を持ち上げ、顔を見たあと、何か話した、まさかね・・・オイはまだ十二才だよ!


 「あなた達、ちゃんと聞きなさい、あの連中、あたし達に悪い事をしようとしている、だから、扉が開いたら、あたしが外にいる連中を抑えて、あなた達は早く逃げるのよ!」


 「いや、そんなことないだろう、わざわざ連れ出して、食べ物もあげて、殺す訳?殺すならとっくに殺したさ」


 「いや、あの連中はあたし達をレイプするつもりだ!」


 「レイプって何?」


 「無理矢理でいやなことをされるのよ!いいから、ちゃんと言う事を聞きなさい!」


 「お姉さんが怒ったところ初めて見た、もう口答えするな、さぁ、こっちにおいて、オイ、カイ、キイも。」


 ウイが居て本当によかった、これで一つ問題が解決した。次はどうやって外にいる連中を抑えるか。


 幸い手足も縛られてない、とは言うものの、どうやったら複数の男を抑えきれるんだ?


 いや、一つだけ打つ手がある、ふふん、待ってろ、ひどい目に合わせてやるよ!


 「いいか、扉が開いたら、あたしに構わずに逃げるんだよ!」


 「分かったよ、ねぇ、オイ、カイ、キイ!」


 「はい!」


 「はい!」


 「はい!」


 「よろしい!いい子だ!」


 今回はそんなに長くない、半日くらいかな?


 キーキー!光が見えた!


 「いまだ!逃げろう!」


 幸い外は男一人だけ、あの硬そうな物もかぶっていない、あたしは必死にあの男に噛み付いた!


 「うわぁぁぁぁぁぁ!XXXXXXXXXXXXXX!」


 何を言っているのかわかんないけど、絶対に離さない!


 あとできっと酷い目に合うよね!でもこれでいい、弟や妹達を守ったから!


 「お姉さん、何しているの?」


 嘘!?驚いたせい?それとも怒ったせい、あたしは思わず口を緩めた・・・


 「何でにげない?・・・・」


 「だって、お姉さん、また独り占めする気だよね?させないよ、この後、食べ物貰えるよね!ずるいお姉さんが考えそうなことはわかりやすいよ!」


 「逃げてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」


 この後、あたしは平手打ちされ、気を失った。


痛い、痛みで起こされるのは初めて、目を開けたら、まぁ、予想はしたけどな・・・


 「お姉さん、痛い、痛い、助けて!!!!」


 助けてだって?あたしは何度助けようとした?へぇ!何度?返された言葉はずるい、独り占め!


 今になってもうオイを助ける力は残っていないのよ、パンも少ししか食べていないし、体が痛い、汚されたよりも、心が痛い。どうしてこんな事になったでしょう?そもそもあの子達、何で逃げなかった?


 そうだ、ウイが彼らにこそこそ何た話をした、だから、彼らは逃げなかった!どうして?どうしてあたしよりもウイを信じる?あたしこそ、一番あなた達の事を思っているのに!


 人はお猿さんじゃない、樹に登らない、ただ樹から実を落とすのを待っているだけ、あたしはただ、あなた達に心配させないようにしただけ、なのに!


 心が暖かくなる戯言はもう信じない、いい事をしたら、きっと皆に知らせる、あたしはバカだ、何が彼らが笑って食べればいいだ、あたしは善人ぶっても、決して悪い人と思われたくない!


 そろそろ限界だ、腹が減って、犯されて、気が遠くなる、そして、思い出した、あたしの名前は鈴川すずしろだった。

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