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ドラゴン編 第1話  門番でございますか?

ここだ、間違いない、桜子はここにいる、でもなんなの? このでかい建物、桜子は貴族だったの? あ、いや、お手伝いさんかもしれない。 よかった、私のせいで早死にしたからな・・・

門番だ、あ、桜子の今の名前は、桜子じゃないよね・・・門番に、桜子は居ますか? って言っても、無駄でしょうね。

潜入が良いだと思う、桜子と会う前に桜子の現況を知っておきたいし・・・


「アサ、宿屋で待ってて、私が戻らなかったら先に寝ってて」

「ちょ、リリーナ、どうするつもり、そもそもどうして魔王城に? 」

「ごめん、アサ、多分明日話すから」

「やはり私も一緒に・・・」

「二人じゃ気付かれやすいでしょう」

「それは・・・うん・・・わかった、待ってる、宿屋で待ってるからね」

「うん、待っててね」


うん、壁が高いし、守備も硬いし、どうしよう?

そうね、ここは私の得意技を使うしかないな。

まずは、自分の膝から運を抜いて・・・


「あっ、痛い、うぅぅ・・・痛いよ! ママ、ママ・・・何処? 痛いよ! 」

「お嬢ちゃん、どうしたの? お母さんは? 」

「うぅう、ママ、何処? 」

「迷子か、おい、どうする? 」

「俺が医療室に連れて行く、お前は人間街でこの子のお母さんを探す」


ふ、計画通り。

私が魔人のことがよく知らないのように、魔人も人間のことはよく知らないんだ。子供のフリをすれば、にしし、簡単に侵入出来る訳さ。

まぁ、普通12歳な迷子いないから、魔人にしか騙せないけどね、あと恥ずかしい。


「でも、この子、人間なんだろう」


あ、ダメか、人間をこの邸に入れじゃダメなのか? やはり魔人は人間が嫌いなのか?


「医療室に人間に効く薬なんてあるだろうか」

「バカ、人間に効く薬って・・・魔人と同じポーションを使うだろう、人間を何だと思ってんだ」


うわ、びっくりした、うん、変な魔人しか出会わなかったせいで、どうやら私は魔人を誤解したらしい。


「う、痛い、おじさん、おんぶして」


両手をちょっと広げて、上目遣い! どうだ?


「ぐ・・・可愛いな、この子、よし、おじさんが肩車してやる、高い高い」


うん、私、また甘え上手になったのか、恐ろしい、自分の才能が恐ろしい!

肩車か、そういえば、肩車されるのは、これが初めてだ、そうか、肩車されるのはこんな感じだったか・・・


「大丈夫、必ずお母さんに合わせるから」

「う、うん、あ・・・ありがとう」


「はい、ここに座って、痛かっただろう? かわそうに」

「平気」


あとは、隙を見てこのおっさんから逃げればいい。うん、まずは男に効果抜群なあれから始めようか。


「あの、お、お・・・おしっこ」

「あ、うん、あ・・・ついて来て、トイレに案内するから」


よし、窓がある、桜子を探しに行こうか。

うん、おっさんには悪いけど・・・あ、桜子と仲良くなったら、おっさんとも長い付き合いになりそうし、嘘つきだと思わせたら、色々不便だし、ここは素直に出るか・・・


「お待たせ」

「お母さんが見つかるまでここで待ってて、すぐ見つかるからね」


まだ時間がある、でもどうすれば・・・


ゴンーっ!


「な・・・何? じ・・・地震? 」

「あ、また始まったか」

「始まる? 何が? 」

「闘いだ、死を司るドラゴンと不死を司るドラゴンが戦ってる」

「どうしてそのドラゴンさん達が戦うの? 」

「あ、うちの当主様達が死のドラゴンばかり選ぶから、不死のドラゴンが遂に怒りに身を任せて、この邸に出ようとした。だから、今の当主様は不死のドラゴンを邸から出られないように、不死のドラゴンを抑えているんだ。あ、子供には難し過ぎるか」

「ドラゴンさんを外に出じゃダメなの? 」

「ドラゴンと言っても、ただの魔物だ、自由にさせたら、魔人を襲うだろう」

「ドラゴンさんかわいそう」

「そうだな、ずっと契約を結ばず、地下に閉じ込められたから」


あ、地下に桜子の反応が・・・


「ドラゴンさん見たい」

「ダメだ、危険すぎる」


ちょっと太腿をつねって涙目になるか。


「大丈夫、だって、おじさんが守ってくれるんでしょう」

「あ、そう言われたら、ははは、参ったな・・・わかった、連れて行くよ、こう見ても俺は結構強いんだ、遠いところからドラゴン見るだけなら」

「おじさんかっこいい」

「ははは、照れるなぁ」


おバカさんでよかった、子供にちやほやされでもワカママを聞いてくれない人が多いからな。

桜子は私と同い年だから当主ではないな、ドラゴンは昔からあるから違う。じゃあ、桜子は何種族? どうして地下にいるの?


「見えるかい? あの黒いのが死のドラゴン、あの骨見たいのが不死のドラゴンだ」


桜子だ、間違いない、あの黒いドラゴンの背中に乗ってるあの子が桜子だ、かっこいい!


「ねぇ、あの黒いドラゴンに乗っているのは誰? 」


「それはスネク家のご当主、クレス・スネク様だ」


桜子が当主なのか、忙しそう、一緒に遊べるのかな?


「どっちが勝つの? 」

「もちろん当主様が勝つよ、契約を結んだドラゴンの方が強いからな、問題はあの白いドラゴンは不死身だ、殺しても殺してもまた蘇る」


桜子も大変だな・・・

勝った! 一刻も早く桜子の元へ!


「桜子! 桜子、お久しぶり」

「ん? 桜子って、何? 君は誰? 」

「えーーっ!? 」


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