表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/308

魔人編 第7話  粉末でございますか?

 「グオァアーーー!」


 何これ? 耳が痛い! 咆哮しているの? 


 あーもう! うるさい!


 「・・・」


 「え? 何? 聞こえないよ! 」


 「・・・・」


 「聞こえないでば! 」


 アサは空に指さししながら何を言っている。


 空に何があるかな?


 え!? ちょ、嘘だと言ってよ、アサ!


 あれは・・・あれは・・・リアジュウレイア!


 あ、咆哮止んた。


 「アサ、逃げるわよ、依頼主さんのも伝いといて」


 あ、いや、今アサが傍から離れわけにはいかない。


 「あたしも一緒に行く」


 「うん」

 

 ハエハンターはまた気付いていない、リアジュウレスの気を引てるから、しばらく大丈夫。


 問題は空を飛んでいるリアジュウレイアだね、リアジュウレイアはリアジュウレスと同じ、攻撃されない限り、火球ブレスを吐いて来ない、今はまだあたし達の魔力量を測っているから、今しかない、走れ、あたし。


 「依頼主さん、温気に見てる場合じゃないです、逃げてください」


 「え? あ、でも彼らはまだ戦てるんだ、勝てる可能性も・・・」


 「空を見てください、リアジュウレイアが・・・」


 「まじか・・・でも、僕たちが逃げだら、彼らはどうなるのか? 」


 「これはリアジュウレスを呼び寄せた彼達の責任です」


 「そ、そうだな、でも、一応彼らにも伝えよう」


 「そんな余裕あると思います? 」


 そんな余裕、君があっても、あたしがないのよ。


 「そうだな、おい、リアジュウレイアが来た、僕達は先に逃げる、お前達も・・・うん、死なないで」


 「おい、てめぇら、くそが、俺らも逃げるぞ」


 残って囮に成れよ、あなたの責任何だから・・・


 「アサ、出来ればリアジュウレイアを攻撃しないで、あたしが運転するから、状況を報告して」


 「わかった」


 うわ、やはりあたしを狙って来たか。


 「リリーナ、これ以上は無理、攻撃していい? 」


 「ええ、でも先ずは翼を折って」


 「はい」


 あたしもできるだけ車を左右に移動させる。


 「ウオォォ、ウゥウーー!」


 落としたようだ、つまり、火球ブレスが来る。


 「リリーナ!」


 「分かっている、火球ブレスがくるんでしょう」


 「違う、ハエハンターが・・・」


 「ええ? ハエハンターがなに? 」


 「ハエハンター、こっちに向かって攻撃仕掛けて来た」


 「え!? うわぁーーっ! 」


 「うわぁーーっ! 」


 な・・・なに?


 スピードドラゴン車がひっくり返した・・・


 あのハエハンターが、こんな卑怯な・・・


 あたしは、いや、あたしは違う、確かにハエハンターを囮にしたいけど、別に行動をしていなかった、なのに・・・


 幸い、リアジュウレスはあっちに行った、じゃないと・・・


 「アサ、迎撃! 迎撃! 」


 「え? あ、はい! ウィンドブレード! 」


 「水よ! 水魔法で! 」


 「あ、はい、アクアアローズ」


 やばい、噛みついてくる、こっちは前衛がないのに・・・


 どうしよう?


 今はあたし、いや、あたしとアサの命がかかっているから、全力で行く。


 先ずリアジュウレイアの運を全部奪う、あたしとアサで分ける。


 問題はどう分ける、半分ずつ? いや、あたしが七割? いや、アサが死ぬかもしれないし。


 いいよ、アサは大切な・・・えーと、大切な・・・そう、駒、駒なのよ。六年をかけて育った、大切な駒なのよ。


 よし、半分ずつ。


 頭痛くなるあれもやるか・・・


 はい、使て・・・


 ・・・


 おい、使てよ。


 ・・・


 でも、ねぇ、頭痛くなるし。


 もう、使てよ、痛がる場合か?


 うん、駄目だわ、三日後自然死、その前にあたし達が死ちゃうわ。


 でも、あたし達はまだ黄色なのよね。


 いやいや、油断しちゃ駄目、勝つ方法を考えなくちゃ。


 先ずはあの火球ブレスを何とかしたい、歯も何とかしたい、そうなると・・・


 うん、喉と歯から運を抜いて・・・


 駄目か、やはりきっかけがないと・・・


 きっかけ、きっかけ・・・


 こうするのはどうだ?


 「アサ、もうちょっと時間を稼いで、何とかなるかもしれない」


 「は、はい」


 このスピードドラゴン車にもあるのかな? 


 有った、やはり商人さんのスピードドラゴン車は違うわね。


 「出来るだけリアジュウレイアから離れて」


 「はい」


 「あたしが合図を出したら、最上級魔法を詠唱して」


 「え!? でも、詠唱したら、火球ブレスを迎撃出来なくなる」


 「あたしを信じて」


 「はい」


 ゆっくり、ゆっくりとリアジュウレイアを近づいて・・・


 火球ブレスを使おうとしている!


 「アサ、今だ! えい! 」


 喰らいなさい!


 リアジュウレイアが火球ブレスを使う時、くしゃみをさせて、火球ブレスをリアジュウレイアの口の中に爆発させる、これで火球ブレスを使えなくなった。


 「自由で、マイペースの少女、それは疾風、荒々しい竜巻よ、全ての敵を空中に巻き上げて!ウィンドトルネード!」


 うわ、飛べないはずのリアジュウレイアが高く飛んだ、いや、飛ばせた。


 「リリーナ、凄い! 凄いよ! 」


 「はぁ、生き延びた」


 「うん、リリーナのお陰様で」


 「そんな、大袈裟な」


 「でも、やはり、魔物研究員って凄いよ! あの粉末は何? どうして火球ブレスはリアジュウレイアの口の中で爆発したの? 」


 「胡椒だ」


 「胡椒って・・・え?? 」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ