表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/314

魔人編 第5話  水面でございますか?

 「お詫び申し上げますわ」


 謝るのか・・・


 「謝れば何でも済むと思うな! 」


 「ごめんあそばせ、リアジュウレスに勝てませんから、必死に虫を倒していたのね、ごくろうなこと」


 「なん・・・だと・・・」


 「いかがなさいましたか? 誇り高きエルフの・・・・ハエハンターさん」


 「貴様! 」


 「何が間違ったことを言いましたか? だって、ハエを逃がしたくらいできゃあきゃあ騒いでいるではないですか? ハエハンターさん」


 「貴様ぁーーっ!」


 アサに手を上げようとしてる・・・


「サイモン、相手は女の子だぞ」


「ちっ・・・おい、ドラゴン車に戻るぞ」


ちょっとすっきりした、アサって、意外と毒舌・・・


「アサ、ありがとう」


「ごめんね、我慢できなくて」


そうね、全くその通りだ、あのチームとの関係を悪化しないように少し努力したけど、アサが台無しにした。けれど、気持ちよかった、清々しい・・・かな・・・


はぁ、どんなに理性的に振る舞っているつもりでも、所詮人間と言う生き物は感情的だ。


でもアサ、今は謝るどころじゃないでしょう、あたしを慰めるべきなのに、逆に慰めを求めてどうする。


アサ、怒ってくれてありがとうと言うべきか? けれど、これでホントにいいのか? そんなこと言ったら、アサは勝手なことをするようになる。


「アサ、怒ってくれてありがとう、でも、分かっているよね」


「はい、ごめんなさい」


「まぁ、ちょっと、嬉しかった」


「え!? 」


あっ・・・やばっ・・・


「今何とおっしゃいましたか? 」


「言葉遣い!」


「話をそらさないで、顔もそらさないで」


ど・・・どうしよう。


「顔隠さないで、はぁはぁ、ちゃんとあたしを見て」


「アサ強引、ちょっと怖い」


「あ、ごめん」


アサ時々怖い顔するよね、甘えすぎるとこうなるのか・・・


「おい、人間」


またこいつか、アサのおかげで、いや、アサのせいで愛想よく振舞わなくて良くなったから、別に相手しなくていい。


「何が用? ハエハンターさん」


「え、リリーナ? 」


「チッ」


行ってしまった、何しに来たでしょう?


「汗かいちゃった、アサ、一緒に体を洗いに行く? 」


「うん、行く」


「先に依頼主に言っておかないと」


「リリーナ、責任感強いのね」


「アサの責任感は強くないの? 」


「大丈夫、あれはあたしが決めったことだから、後悔はしない」


「何のこと? 」


「何でもない、さぁ、行こう」


「うん」


何に対して後悔しているでしょう?


「依頼主さん、ちょっと体を洗って行きます」


うわ、綺麗、月が明るい、水面に月が映っている、なんがアイの世界を思い出した、アイの人生も、悪いことばっかりじゃなかった。


「冷たっ・・・」

「ふふふ」


「どうしたの? 」


「いや、先、リリーナの体がびくんと震えた、可愛い」


「もう、なんがアサ、あたしの辱めて、楽しんでいる? 」


「そん・・・そんなことない・・・わよ? 」


噓下手・・・・


でも、アサも意外と意地が悪いのね、まぁ、これくらいなら別にいいか。


「ちょっと、ジロジロ見すぎ」


「あ、ごめん」


「始めて見るわけでもないのに」


「月が、月が綺麗から」


「月が綺麗なら月を見ればいいのに」


「・・・・」


変なアサ・・・まぁ、どうでもいいか。


「そろそろ戻るわよ」


「うん」


依頼主さんとハエハンターが楽しそうに話している、アサが余計なことしなかったら、あたしも情報収集のため、会話に参加したのに。


うわ、睨まれてる、はぁ、無視無視ガン無視。


明日、森を抜けて、日が沈む前に魔王城に着く、つまり、明日でハエハンターとさよならできる。


「おはよう、リリーナ」


「おはよう」


森を抜けたか、よかった、もう虫魔物は出ない。


薬草鹿か、初めて見た、なんが可愛い、目がうろうろしてる。


あっ、殺された、あのハエハンターの魔法に・・・


どうして? 薬草鹿の素材は高く売れないのよ、そこまで金に困ってるの?


いけない、血の匂いでリアジュウレスが寄って来る・・・


まさか、いや、まさかね、ハエハンターは知らないはず・・・いや、でも、まさか、昨日、依頼主と話したよね、まさか、依頼主から?


バカか? 依頼主はバカか?


いや、あたしがバカだ、少し頭を使えばわかることなのに、プライドが高い、あのハエハンターのプライドをズタズタにしたら、もちろんこうなるよね・・・


「あはははは・・・・」


「どうしたの? 」


「絶対にリアジュウレスに攻撃仕掛けないで」


「え!? 来るの? 」


「うん、きっと来る」


「あ、嗅覚が強くて、生肉しか食べない」


「そう、バカな真似しないようにはっきり言ってないけど、リアジュウレスは血の匂いに嗅ぎつけて寄ってくるんだ」


来た・・・でかい・・・


空であたし達と薬草鹿を観察してる、攻撃を仕掛けでいなければ、弱い方を襲う、魔力はあたし達の方が全然高い、大丈夫だ。


い、いや、ちょっと待って・・・ここで、魔力が一番少ないのは、あたしじゃないのか? 


やばっ、こっち見てる・・・どうして? あのくそハエハンターが引き寄せたのに、あたしを狙う。


「アサ、あたしを守って」


「はい」


「自由でマイペースな・・・」


あれ? リアジュウレスが魔法に打たれた、でもアサの詠唱は終わってないじゃ・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ