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逃走編 第3話 鬼火でございますか?

 「リリーナ、属性魔法は人間しか使えないって、知ってる? 」


 「え!? 待って、じゃあ、火のゴーストは火属性魔法を使えないの? 」


 「ええ、使えないわ」


 「いや、でも、オオ二は火属性魔法を使ったことがある、火でグレイソートをまとった」


 「あれは魔法じゃないよ」


 「ガスとか? 」


 「ガスって、なに? 」


 「いや、何でもない、続けて」


 「あれは魔法石の力、うん、どこから説明すればいいでしょうか? リリーナ、魔法の構成について、何か知ってる? 」


 「構成? 魔法って、魔力を使って、呪文を唱えて、発動するものじゃなかったの? 」


 「違わないけど、正しいも言えない。リリーナとあたしは、混合属性魔法を使えるでしょう。いや、どう説明すれば・・・魔法を発動するには、魔力を使うでしょう? その魔力は、二つに分けられる。一部の魔力は火、水みたいなエレメントに転換する。他の一部は魔法回路に通じて魔法を制御する、これが魔法だよ。魔法回路は使いたい魔法の属性と相性が合わないなら、魔法は発動しない。だから、人間でも、混合属性魔法を使える人は、そんなに多くないよし、あたしも光魔法と闇魔法を使えない」


 「なるほど」


 「呪文を唱えのは魔法回路を設定するため。例えば、あたしの風属性の呪文は、自由でマイペースの少女、それは疾風、でしょう? この呪文は、あたしのオリジナルで、リリーナをモデル・・・あ、いや、何でもない」


 あたしをモ?なに?


 「この呪文はより複雑なコントロールを可能にする、素晴らしい呪文なのよ。」


 「それが、オオ二の魔法とどう関係するの? 」


 「さすがリリーナも、これだけじゃわからないよね」


 ムカッ!


 「待って、ちょっと考えさせて」


 アサの話によると、魔人は属性魔法を使えない。つまり、オオ二は属性魔法を使っていなかった。でも、オオ二のグレイソートは確かに炎があった。アサの話から全て分かるはずだけど・・・そう、魔法の構造。


「つまり、オオ二は魔力を火に転換しただけで、その火をコントロールできないから、属性魔法を使ったとは言えないと? 」


「ええ、でも魔人は魔力をエレメントに転換することもできない、あのグレイソートは、多分人間の魔法石がはめ込まねているでしょう」


「え!? んん、でも、人間も魔人の魔法石を使ってるから、大したことじゃないか」


「そう・・・だね、リリーナの言う通り・・・だね」


 「魔人は属性魔法を使えない。じゃあ、どうしてゴーストは、火のゴーストなの? 」


 「これは有名なのよ。魔界は、属性魔法を憧れている魔人もいる。でも、大抵はオオ二みたいに人間の魔法石を使う。でも、イエス!魔界戦隊ファイブは違う。彼らは、独特な魔法で、属性魔法を真似するの。リリーナ、ゴーストが使う魔法って、知ってる? 」


 「うん、鬼火だろう 」


 「その鬼火は何なのか、知ってる? 」


 「鬼火? まさか・・・」


 「イエス!魔界戦隊ファイブの中、大佐と言うネクロマンサーがいるのよ。彼は死体でアンデッドを作り、骨とemethを書いた紙で土人形を作れるらしい。 でもね、実はイエス!魔界戦隊ファイブの中にネクロマンサーは二人もいるのよ」


 「つまり、ゴーストの鬼火は・・・」


 「そう、ゴーストの鬼火は、ホントに魂でできている。彼は自身の魂と、近くにいる亡霊で攻撃するの」


 「と言うことは、魔界のえらいさん達は、最初から人間の兵隊を犠牲にしようとして、その魂を使って、あの魔物を倒そうと? 」


 「ええ」


 なるほど、賢いわねぇ。


 「ひどいでしょう? 」


 「俺の魔法は機密情報だったはずだ、何故知っている? お前ら、スパイか? 返答次第ではお前らを俺の鬼火にしてもらう」


 また本領発揮しなきゃいけないのか・・・


 「聞き耳をたてるとは、いい趣味とは言えませんね、火のゴーストさん」


 「違う、俺の耳を、人間の耳と一緒にするな! 偶に聞こえただけ」


 うわ、分かりやすい人だ・・・


 「ねぇ、アサ、ゴーストさんの魔法については、人間界の常識じゃなかったの? 」


 「え!? リリーナ? 」


 「嘘つけ、お前が知らなかっただろう! ホントに常識なら、何故お前が知らない? 」


 「魔界のエリ-ト、ゴーストさんならもうとっくに気付いたでしょう、あたしは魔力障害だということを。あたし、魔法についてはあんまり詳しくないんです」


 「ん・・・」


 「まさか、ゴーストさんは、自分の魔法は機密情報だと本気で思っていますか? だから、あんな人間の恨みを買うような作戦を立てていたのですか? 」


 「この作戦を立てったのは俺じゃない! 」


 「ですよね、そんなわけないよね。つまり、ゴーストさんはただあたしと話す話題を探しています。もしかして、あたしを口説いていますか? 新手のナンパですか? 」


 「あ、いや」


 アサもぼけっとしないで! アサの足、蹴って見ようか。


 「あっ、そ・・・そう、いくらリリーナが可愛くても、ナンパしてはいけないです、リリーナはわたくしのものなのですから」


 うわ、何言っての、アサは・・・それに、ものって。


 「では、あたし達はこれで。あっ、それとゴーストさん、兵隊は全部死なせでも構いませんが、絶対にあの魔物を町に入らせないでください、ゴーストさんなら出来るでしょう? 」


 「ああ、任せて」


 男って、皆単純だな。今まで逢ったのは全部冒険者だったからか?


 「リリーナ、お腹、空いているじゃないの? 」


 アサは相変わらずバカだな。ゴーストを避けるために決まっているだろう!


 「そうだけど、ここの食べ物が口に合わない」


 「そうか、じゃあ、他の店に行こう」


 それより、ちょっと気になることがある、聞こえないように、筆談しようか。


 『ゴーストの魔法ってホントに機密情報なの? 』


 『ええ、オカン家は、ゴーストと戦ったことがあるから知っているけど、公開していない。殺されたあと、仲間を焼き殺さなければいけないなんで知られたら、ゴーストと戦えたい兵士なんでいないから』


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