冒険編 第9話 完璧でございますか?
リリーナとの旅が始まりました、リリーナが知っている人はわたくししかおりません、もちろん頼れる人もわたくししかおりません。遂にわたくしの時代が来たのです。
町に入りましたが、門番の態度がおかしいのです、嫌な予感がします。
悪い予感が的中しました、でも、こんな人数だけで、わたくしを捕まえると思って? 後ろにいましたな、喰らいなさい。
黒い髪? あれはリリーナ? 待って、魔法、曲がってください、そんな、わたくし、わたくしの魔法が、リリーナに、いや、違うのです、よくも、よくもリリーナを盾にしましたね。
生きて帰ると思わなくってよ。もう手加減は致しませんから。
初めて人を殺めました、魔物を殺すのは大した変わりがありませんでした。医者さんは大丈夫とおっしゃいましたけれど心配です、せっかく築き上げた信頼関係も・・・
どうしましょう? 嫌われてしまうわ。どうしてあの時ちゃんと見なかったのですか?
「あの、アサ・オカンさんですか? 」
「ええ、そうよ、捕まえて欲しいの? 」
「いや、あなたの叔母が来ています」
叔母様? 叔母様がどうして?
「アサ、まさかあのバカ姉が手配する何で」
「それより、わたくし、わたくし・・・」
「落ち着いて、何があったの? 」
「わたくし、魔法でリリーナを撃ったの、あの男、リリーナを盾にして、わたくし・・・」
「そんなことがあったの、でも、ちゃんと謝れば、許してくれるよ、リリーナには、アサが必要だし」
「そう、そう言えば、リリーナのベッドが死んだ」
「じゃなおさらアサが必要とされるじゃない、大丈夫だよ」
「そう、そうね」
「あ、そうだ、お土産、あなたに偽造身分証明書とこの杖、リリーナはこの魔法石、この杖は魔法の威力を増幅させ、下級魔法なら詠唱無しで発動できる、それと、偽名を考えて」
そうですね、リリーナを愛してる、リリーナ・アイはどうかしら、でもリリーナ名前被るから、リーナ、いや、ニーナはどうかしら。
叔母様が去りました後、リリーナがお起きになりました。
思ったより、リリーナの言葉攻めは弱かったです、わたくしを人を殺めたせいで罪悪感に溺れているようです、本当、殺して良かったのです。
金は元々リリーナの為に貯めるものですから、リリーナに使わせてくれて本当に良かったのです。
そうして、わたくしはリリーナと冒険者ギルドに行きました。
「では、リリーナ・ナナリーさんとニーナ・アイさん、こっちに魔力を登録してください」
リリーナ、これがわたくしの偽名です、愛が感じますか?
「アサ、あなたの偽名? 」
「ニーナ・アイだよ」
「今すぐ偽名を変えて! 」
「え?どうして? 」
「変えて」
「でもこの名前はリリーナへの思いを・・・」
「変! え! て! 」
「無理よ、身分証明書を偽造するのはとても難しい、叔母様みたいな凄腕な魔法使いじゃないと無理よ」
どうしてこうなってしまわれました? 愛が重い過ぎましたか? きっとそうですよ、急に女の子に愛しているって言われても、困りますわね。
「ア・・・いや、これを暗記して」
思った通りです、これに書いているのは、殿方を褒める方法、やはりリリーナはわたくしに殿方を好きになりたいですわ、では、わたくしはこの想いを心に秘めて、殿方を好きになりました振りをしましょう。
リリーナはこの鬼人を選びました、わたくしはただ全力褒めるのみですね。ほら、リリーナ見て、わたくしは殿方も好きになれるよ、ですから、わたくしのこと嫌わないでください。
次の日にリリーナは、別の人を褒めると、しかし、もしわたくしがあの人を褒めると、軽い女に思われるでしょうか? けれど、レズと思させたくありません、そもそも、わたくしはレズではありません。好きな人が偶々女の子だから、別の女の子に全然興味ありませんから。
こうして、わたくし達はゴブリンキングの討伐に参りました。
リリーナがこんなに喋ったのは、わたくしも初めて見ましたかもしれません。
ゴブリンキングは予想以上に強かったです、わたくしも少々焦りました。
リリーナはわたくしに風と土を使わせない代わりに、ゴブリン達を追い払うせる何かを投げ出した、流石に魔物研究員ですね、この六年、よく頑張りましたね。
あれ、リリーナの後ろにゴブリンが!?
「リリーナ、後ろ! 」
「きゃあぁぁぁーっ」
「リリーナ、よくもリリーナを!」
「リリーナ、痛かったか」
「痛い、だから早くポーションを使って」
使って欲しいなら、アサ様とお呼び!
なに馬鹿なことを考えているの? けれど、確かに弱っているリリーナは毎月数日しか見えないからね、お願いする何で初めてかもしれません、少々妄想を膨らませでも罰が当たりませんと思います。
行けません、ついにっやとしました。
その後リリーナがバナナの皮で戦闘を終わらせた。
その夜、わたくしはまたリリーナと一緒にお風呂入った。
でも、全然幸せな気分になれなかったのです、だって、リリーナの背中に、大きな傷痕が、残ったのです、わたくしはすぐに薬屋に参りました。
「お前さんのそれは、普通のポーションだ、傷痕は残る、傷痕残らないポーションもあるけど、十五倍高いけどね」
「今傷痕を消す方法はありませんか? 」
「ない、買うか? これ以上傷痕増やしたくないだろう」
リリーナからのお小遣いなら足りる。
「買います」
ちょっと待って。
「このポーションは傷痕残せず、傷を癒せるよね」
「ああ、でも出来た傷痕を消せない」
「わかりました」
良かった、リリーナの傷痕が消せる!
簡単ではありませんか、リリーナの傷痕を再び傷口に戻せば、このポーションで傷痕を消せるではありませんか? 大丈夫、寝ているリリーナは痛みを感じられないはずです。
わたくしのリリーナは常に完璧にいないといけませんのです!