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平和推進編 第7話 後 上司でございますか?

 セレンさんのあと、タイサともお話した。タイサは相変わらず、セレンさん大好きオーラをまき散らしてた。今までのように、セレンさんのおまけ扱いしていいと思う。


 残るのはロッティ、ソニアとドロシー。ロッティとドロシーは今魔界にいないから、今夜通信石で連絡を取るか。


 じゃあ、ソニアの職場に行ってみようか。


「「「おはようございます。リリーナ様!」」」

「おはようございます」


 みんなに挨拶されてしまった。事前にソニアに知らせず、お忍びで来たほうが、みんなの仕事の邪魔にならなかったかもしれない。


「リリーナ様、どうぞ私の部屋へ」

 ソニア結構高い地位にいたのね。与えたのは私だけど……。……そっか。ケルベロスのみんなが私に重荷を背負わせたと思っていたけど、私も私で、ソニアに色々押し付けていたのかな?

 今、ケルベロスで人間語、魔人語両方を話せるのは神の力であらゆる言語を理解し、話せる私を除いて、アサとソニアしかいない。桜子も頑張ってはいたけれど、人間語を話せるようにはならなかった。それだけ、アサとソニアの言語能力が高く……そして、努力してくれたということ。

 もし、将来私がアサとの約束を守って、アサと駆け落ちしたら、翻訳はソニア一人だけになってしまう……。はぁ~……。

 うーん。「欲望を見抜く目」か。ソニアの地位は私が与えたものだ。少しは感謝されていると思ってもいいはず。好かれている、と考えるのも、自意識過剰ではない……はず

「不満ですか。滅相もございません。リリーナ様のご決断に異を唱えるなど」

 私の決断ね。


「ソニアはさ、ケルベロスで何かしたいこと、ない?」

「リリーナ様のお役に立てれば」


 会話になっていない。そもそも上司が話を聞きに職場に来たんだ。よっぽど嫌われてでもいない限り、普通はおだてるものよね。


「私はね。セレンのほうがリーダーに相応しいと思うけど、ソニアはどう思う?」

「そんなことありません!!!」

 びっくりした。急に大声出さないでよ。


「リリーナ様しか務まりません」

「そんなことないよ。ソニアも知ってるでしょ。私が暴動を起こしたせいで、沢山の人が死んだこと。今度は魔人も死なせるかもしれないよ」

「私はリリーナ様が大勢を救ったことも知ってます。前回の戦争を止めたのもリリーナ様でしたし。何より、リリーナ様は私を地獄から救ってくれました」

 パワモラハラからは救ったとは思うけど。

「リリーナ様にとっては、救った大勢の中の一人でしかないかもしれませんが、あの頃の私がどんな思いでいたか。もしリリーナ様が助けてくれなかったらと思うと……」


 今、気づいた。もし、みんなの『欲望』のベクトルが私自身に向いていたら、私はケルベロスから抜けられなくなっちゃう……。

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