表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
311/315

平和推進編 第6話 後 返事でございますか?

 次はチャーリーね。


 あのさ、私がユアンと話してる間に、ちょっとは水でも浴びてくればいいのに。


「チャーリーさん、何か不満とかない?」

「ないよ。ブレイク公爵のことは子供の頃から聞かされてた。僕の出身国がブレイク公爵のお陰で繁栄してたのは事実だ。まあ、獣人たちの状況を問題だと認識してからは、素直に感謝はできなくなったけどね。でも、リリアちゃんを悪く言ったのは許せないよな!」


 そういうのいいから。チャーリー、獣人じゃないからそんな尻尾振らないで、お願い。


 アサは⋯⋯と、チャーリーを睨んでる。しかも、一瞬私と目があったのに、すぐに視線を戻してチャーリーを睨み続けた。チャーリーと……私への牽制か。チャーリーはまったく気にしてない、というか、気づいてない。私だけ見てる……。めんどくさいな、この人達。


 そして私がアサと交際してるのをチャーリーに教えるかどうかという問題に戻る。正直、王様の教えに従うなら、絶対に黙っておくべきだ。私といられること自体が、チャーリーにとってケルベロスにいる大きなメリットになっているはずだから。なんなら、身体を使って籠絡する価値さえあるかもしれない。……世界の和平って、私にとってはその程度のものだったのか? うーん……案外、その程度なんじゃない?

 ううん。ちがうの。嘘をつくなら、バレた時の影響も考える必要がある……だしー、必要のない嘘はつかない方がいい。それに、アサ絶対喜ぶし。


 でもでも、変じゃない? わざわざチャーリーに、私達女同士で付き合ってますー!って。


 いや、でもね。チャーリーは昔、私に告白してた。つまり、チャーリーからすれば、私は彼が自分に好意を持っていることを知っている、という前提のはず。ううん。たとえそうだとしても、今ここでわざわざ彼を振って、やる気を削ぐ必要がどこにある?


 そういう正当化はいいから! あなたはただ、彼に嫌われたくないだけでしょ。


 いやいや、信用が……。


 うん……これも違うか。……もう、解放してあげなよ、恋という呪縛から。


「チャーリーさん昔私に……告白した、よね?」

「……っ! そ、そうだよ」

「私に恋してるってことで、合ってるよね? 今も、その気持ちは同じ?」

「もちろん!」


 もし、私と付き合うことが出来なくても、その正義は本物だと信じていいよね? 


 ……流石にこの言い方はずるいか。


「ごめんなさい」

「どうして? 僕のことが嫌いなのか?」

「リリーナはわたくしと……」

「アサ! ちょっと静かにして」

「……」

「私、チャーリーさんのこと、恋愛対象として見てないの」


 きっと、アサと付き合っているかどうかは関係なく、私はチャーリーさんとはこういう関係にはなれない。私、やっぱりリーダーには向いてない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ