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冒険編 第6話 パーティーでございますか?

 「え!? どうして味方を撃つの? 」


 「先、誰があたしを信じると言ったと思うが」


 「わかった、リリーナを信じる」


そろそろだ、構えでいる、今だ!


 「アサ、撃って!」


 「はい、優雅でエレガントな令嬢、それは水。水の弾よ、あらゆる障碍をすり抜け、敵を撃って」


詠唱、つまりこれは中級魔法。そうね、追尾出来る魔法は下級魔法のはずないよね。


水の弾がオオ二の足を避けて、上手く股間に当たった。すると、オオ二の額が地に付き、股間部分を押さえた。痛いのは聞いたことあるが、まあ、ゴブリンキングの攻撃を避けたし、結果オーライか。


二人の死も先に延ばした、でも、オオ二何やってるの? どうして立たないの? まさか・・・いや、ほら、映画やアニメのキャラクターは、手が切り落とされでも、戦えるのに、なんで、股間撃たれただけで動かないのよ!


望遠鏡持ってて良かった、うわ、凄い顔してるな、本当にそんなに痛いのか? 女性にはわからない痛み、でも、死ぬよりずっとマシだろう。


ってゆうか、状況は全然よくなってない! これじゃあ、オオ二が死んだと同じじゃないか、同じ戦闘不能だし、また計画が失敗した。


それに、頭が痛い、急に痛くなってきた! 思考が鈍る。


おお! セシリアがオオ二の股間にポーションをかけた、素晴らしい対応だわ、オオ二がまた戦える。


けれど、先とあんまり変わらない、あの三人はもうすぐ死ぬし、それに対して、ゴブリンキングは三日後で死ぬ。


 三日後? どうして三日後? あの三人が死んだあと、アサに風魔法を使わせるつもりなんだけど・・・


 頭が痛い、どうして三日後なんで、どうでもいいよ、それより、突破口を作らないと。


 痛い、なにも考えたくない、もういいよ、またアサに手札を見せることになるけど、仕方ないよね、あたしの武器を使うか。


 あたしもちゃんと武器を持ってる。


 「そうれーっい!」


 ほら、ゴブリンキング、あなた今運が悪いから、バナナの皮に踏みやすいわよ。


いや、ちょっと待って、運が悪い点は、あの三人も同じ・・・


 待って! オオ二! 止まれ! 足元を見ろ! あのバカがバナナの皮を踏ん・・・


 はぁ!? そんな馬鹿な、オオ二が滑った時、自由落下でゴブリンキングの右足の足指を全部切り落とした・・・


 いやいや、武器が長いでも、こんな・・・え!?


 でも、あの三人のオーラは黄色に戻った、ゴブリンキングがバランスを取りにくくなって、攻撃する度転ぶ、もう決着が付いた。 なんが、ゴブリンキングが可愛く見えた。


 安心したあたしは、意識を失った。


 「リリーナ、起きたか? 急に倒れて心配したよ」


 「まったく、体調悪いなら先に言ってよ」


 あたし、倒れた? あぁ、そう、あたし、頭痛が酷くて、倒れた。 


 「ゴブリンキングはどうしたの? 」


 「この俺が倒した」


 「一緒に倒しただろうが」


 「いや、俺があいつの足指を全部切ったおかげで、あいつを倒せるんだ、だから、あいつを倒したのは、この俺だ」


 「でも、あのバナナの皮は何処から来たの? 」


 おい、アサ、こっちを見ないでよ。皆あたしを見るじゃないか!


 「お嬢ちゃん、バナナの皮を投げたのは、君か? 」


 「えーと・・・」


 やばい、どう言い訳すればいいのか・・・


 「あたしバナナの皮、投げましたの? ごめんなさい、あの時、頭がクラクラして・・・」


 「でも、そうれーっいって言わなかったの? 」


 アサ! このバカ! 間抜け! 人でなし! 


 あれ、人でなしは違うか、ランサー死んでないし。


 言い訳するほど怪しくなる、ここはとぼけ続ける。


 「ごめん、あの時のこと本当に思い出せないです」


 「そうか、いずれにせよ、あのバナナの皮を踏まなくても、この俺がきっとゴブリンキングを倒せる!」


 「ふっ、若造が、股間を押さえて、動かないのは誰だ? 」


 「そう、そうだった、ニーナちゃん、あの水魔法を使ったのはあなたか? 」


 「え・・・ええ、確かにあたしですけれど」


 「どうしてそんなことを? 」


 「リ・・・いや、何となく」


 「若造、あの魔法がなければ、お前はもう死んだぞ」


 「そうなのか、ニーナちゃん? 」


 「え・・・ええ、そうですわ」


 「でもニーナちゃん、どうやってタイミングよく魔法を撃てるの? 」


 アサ、今はこっちを見ないでおくれ。仕方ない、あたしが説明しようか、アサに力のことを気付いて欲しくないし。


 「そろそろ範囲攻撃が来ると思って、ア・・・いや、あの子に何時でも魔法を撃てるように準備しておいた。上級魔法が通じないゴブリンキング相手に、あたし達が出来ることを考えまして、思いつきました、ピンチじゃなければ、そんなことはしません」


 「お嬢ちゃん、頭いいね。あの瓶を投げたのも、あなただろう。そうだ、儂のチームに入らないか? 」


 「ふざけんな! おっさん、ニーナちゃんは俺のチーム入るんだ」


 「儂はリリーナちゃんが欲しい」


 「じゃ、てめぇは無口ちゃんを貰う、俺はニーナちゃんを貰う、それでいいだろう」


 「そんな、困ります」


 「じゃ、この五人でパーティーを組むのか、どうかしら? 」


 セシリア、空気嫁よ、問題はバリーとオオ二だろう。


 「こんな若造と組まん」


 「おっさんは願い下げだ」


 ほら! でも、パーティーか? 悪くないかも、どうしようかな?


他人を傷つけるのは、他人の痛みを理解できないからです。


 リリーナはオオ二の痛みが知らない、だからオオ二の股間をアサの魔法で打ちました。でも、侵される痛みを知っているから、アサに酷いことをしませんでした。


 他人の痛みは理解し難いですけれど、他人の立場から考えるようになれば、きっと今よりも、他人の痛みが理解出来るはずです。


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