表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
295/314

戦争介入編II 第10話 後 釣り合うでございますか?

 「どうだった? 何かいい案思いついたか」

 「ああ。残りの二人の勇者と手を組んで魔王を討つ」

 

やはり勇者に期待するだけ無駄だったか……。


 「魔王を倒しても戦争は終わらないって、分かってるよね」

 「分かってるさ。なら、魔王の亡骸を利用させないようにすればいい。実はリリーナが魔族に操られたと誤解していた頃から、、聖なる武器の力で魔族の力を取り除くことができるか研究していたんだ。知ってる通り、聖なる武器は女神様から授かった人間側の切り札。その聖なる力を使えば、魔王の身体から魔力だけを取り除けるはずだ。そうすることで、人間が魔王の力を利用して大陸を統一することもできなくなる。当然、魔王を失った魔族も戦う意志を失う。そうなればこの戦争は終わるはずだ」


 あれ? 結構いい案なんじゃない? 


 「うーん。人間界に戻るなら、奪われないためにも聖なる武器は一旦ここに置いてもらいたいんだけど」

 「ああ。もちろんだ」

 「で、みんなはどう思う?」

 「そうだね。そんな方法があるのなら魔王様も救ってもらいたいもんだ。魔王様はただ体が乗っ取られただけだということはもちろん知ってるよね。それに、人間はなんの不利益もなく、魔界だけ魔王様を失う形になるのは不公平だとは思わないのか」

 「それに関しては、残りの2人の勇者がどうするのかはわかんないが、俺とチャーリーは2人の持つ聖なる武器を魔族側に管理させるつもりだ。人間が聖なる武器のレプリカの材料として利用されることもなくなるし」

 「武器二つくらいで魔王様の命に釣り合うと思ってるのか!」

 「思わないさ! それでも、これが俺が、俺たちが考えた戦争を終わらせる方法だ!」

 「魔人に操られた私を救おうとしたって言ったよね。なら当然私を傷つけず魔力の影響だけを取り除く方法を考えたのよね。魔王を殺す必要ないのでは?」

 「ドロシーが言うように、たとえ真実はどうであれ、人間側が“魔王討伐”を掲げて戦争を始めた以上、魔王が生きたままで戦争を終えられると民は納得しないだろう」

 「魔族だって、魔王様を失って引き下げるわけにもいかない!」

 「じゃあ何? 人間も勇者2人を死なせばいいわけ? ユアンとチャーリーが死ねば魔族は納得するの? 魔王はずっと眠っているだけなのに! 魔族はこれまで魔王なしでやってきたんだから、今さら魔王なんているの?」

 「魔王様は魔族の象徴なんだ!」

 「はいはい。セレンさんもドロシーも一旦落ち着いて。戦争の口実については、こちらでも情報操作で何とかなりそうだし、もしそれでダメだったら、また別の方法を考えよう、ね?」


 セレンさんも、なんだかんだ魔王が大事だったのね。それは……大団円に出来たら万々歳だけどさ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ