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戦争介入編II 第7話 後 無能でございますか?

 トーマスの資金移動を追跡すればするほど、これは不可能に思えてきた。

 ダミーのルートを全部潰せるほどの人員も余裕もないし、仮にあったとしてもトーマスに気づかれてしまう。


 しかし、潜入調査がまったくの無駄だったというわけではない。

 トーマスが魔人と繋がってると睨んでいたが、まさか、大陸一の資産家であるトーマス本人が魔人だったとはなぁ。

 トーマスの部屋に潜伏してから数日、彼が食事を取るところか、水を飲む姿すら一度も見かけなかった。

 それところか、睡眠を取ることもなかった。睡眠については革新が持てないが、魔人は食事を必要としないと聞く。

 だとすれば、トーマスが魔人である可能性は極めて高い。

 

 そうと分かれば、まずは上司に報告すべきだ。


 「それで? 何か証拠でもあるのか?」

 「証拠ですか? ですから、トーマスは数日間、飲食をせず、睡眠もとっていませんでした」

 「この無能め! いいか、よく聞けよ! そんなの証拠にならねぇんだよ!『我々の調査員によると、あなたは食事も取らず、睡眠も取っていない。魔人の容疑があるので連行します』ってか? そんなことで、大陸一の資産家を逮捕できると本気で思ってるのか? 何処の国にも属していない彼を捕らえようとすれば、逆に他国から 『財産を奪うための捏造だ』と批判されるのがオチだ!そんなこともわからないのか! 頭を使え! あ、ないだったな、使う頭が! そもそもトーマスは魔石商人だ。飲食も睡眠も不要になる魔石を開発していたとしても、何も不思議じゃないんだよ!」

 「いや! 謎の『あの方』といい、トーマスが魔人と繋がってることは疑いようがない!」

 「重要なのは証拠だってつってんだろう! 裏帳簿なんだから匿名にした客の一人や二人いてもおかしくないだろうが! 資金の追跡にどんだけ人手を費やしたかわかって言ってんのか! もういい! 任務は終了だ!」


 このパワハラしか能のないくそ上司め! 

 現場で命張ってるのはこっちなんだよ! 

 安全な場所で指令を出して成果だけ求めるやつが偉そうに! もういい……。


 「わかった」

 「ようやく素直になったか。けっ、最初からそう言えばいいんだよ」

 「俺は一人でも任務を続ける!」

 「……チッ。そうかよ! 好きにしろ。だが、トラブルが起きたても、国からの支援は期待するな! それと、拷問を受ける前に自ら命を絶つことだ。期待はしていないが、国を動かすつもりまら最低限、記録魔石で角や鱗が生えてる姿を撮影するか、それと同等の証拠を取るんだな!」

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