表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
285/314

戦争介入編II 第6話 前 ライバルでございますか?

ごめんなさい。投稿したと思ったのですが、してませんでした。ですので、今週は前後まとめて投稿いたします。

 「くっそ! リリーナ・スネークめ!」


 第三勢力の存在を考えると、これ以上人間との戦争を続けるにはあまりにもリスクが高すぎる。

 1回目、撤退しようとした人間を追撃したところ、後方から人間の部隊に襲われ、かなりの損害を出した。

 2回目は後ろから魔獣の群れに襲われた。


 最初の襲撃の時は、まだリリーナ・ナナリーの策だとは思わず、単なる人間の戦術だと考えていた。

 しかし、よく思い返すと、もしそれが人間側の策だったとしたら、撤退するフリをやめ、私達を新手と挟み撃ちにするはずよ。

 そして2回目の襲撃では私達だけでなく人間側も攻撃を受けていた。つまり、第三勢力が絡んでいるのは間違いない。

 さらに、2回目の時に人間を襲ったのは魔獣、私達を襲ったのは魔獣のゾンビ。これはセレンとタイサの固有魔法によるものに違いない。あの二人は魔人だ。回りくどいことはしない。

 こんな戦術を考えつくのは、リリーナ・ナナリーただ一人。


 「リリーナ・スネークめ! クラーラ! 俺はリリーナ・スネークに対抗するために、君を魔人にし、腹心にした。それなのに、人間である君はなぜリリーナ・スネークの策を見破れなかった!」

 「申し訳ございません」

 「謝罪なんか求めてない! なぜ見抜けなかったのかと聞いているんだ!」


 ゴースト様には返しきれないほどの恩義があるし、尊敬もしている。だが、上司としては……。


 リリーナ・ナナリー、私が魔人になったきっかけにもなった宿命のライバル。

 前回対峙した時も、思った通り、巧みに言葉を操り、人を意のままにするのを厭わない人だった。

 一人だけとは言え、まさか私の固有魔法を破るとは思いもしなかった。それこそ私のライバルだ。


 セレンとタイサが固有魔法で操る魔獣はともかく、傭兵を雇うための資金をどうやって用意したのか。

 人間側に協力者もいると考えるべきだ。


 人間の協力者か……。私も協力者を集めるべきか。ただ、人間を洗脳するのと、信者を集めるのとは訳が違う。 私の固有魔法は、心に秘められた感情を増幅するだけ。

 例えば、傭兵に女神の愛を説いても、「女神の愛なんざ金にならねえよ」で終わってしまう。

 それに、リリーナのように自己理解が深く、理性的な人にも効果が薄い。その人達は理性で感情を抑え込むことができるから。

 例えば、好きな人と目が合った時、「目があった! 両思いに違いない」と考える人もいれば、「毎日会うんだから、目くらい合うだろ」と合理的に解釈する人もいる。


 リリーナ・ナナリー、私のライバル。是非私の人間への復讐劇を彩ってくださいよ。

 まあ、私は絶対負けないし。何せ、私にはゴースト様すら知らない、リリーナ・ナナリーに確実に勝てる奥の手があるのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ