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戦争介入編II 第5話 後 黒幕でございますか?

 今日は調査日記のまとめ書こう。

 尋問で殆ど情報を得られなかった。分かったのは、捕まった暴徒達は恐らく何も知らない、ただ利用されているだけの間抜け。まあ、本当に黒幕が存在してるという前提での仮定だけど。

 

 暴動を起きたことで、国は大規模な集会を原則禁止にした。ただ、それはあくまでも見せかけで、罰則も軽いし、取り締まる人もいない。そこで僕はその集会に潜入することにした。

 過激派のフリをしてみたら、割と避けられた。どうやら過激派は極少数派で、周囲から嫌われてるらしい。が、収穫はあった。


 「なんだ、あんなことがあってもまだ稼ぎたいというのか」

 そいつはそう言った。やはりあの暴動は意図的に引き起こされたものだったのだ。

 そいつの話によると、覆面をした人物が人を雇い、過激派を煽動していたらしい。ただ、暴動以降、その人物は姿を現していないようだ。


 また手がかりがなくなった。それで、僕は自分の勘を頼ることにした。僕が目をつけたのはこの大陸一の資産家、魔石商の最大手であるトーマス。

 思えば、戦争阻止を目的に掲げた最初の有名人が、このトーマスだった。しかし、トーマスが開催したのは魔族との対談会だけだった。

 そもそもなぜトーマスは対談会を開いだのか。戦争を止めたいなら、軍への魔石の供給を止めればいいと思ったけど、そうすると国に魔石を徴用される可能性がある。つまり、トーマスは「死の商人」というイメージを払拭するために、あの対談会を開いたと考えられる。

 

 まあ、いずれにしても、トーマス以外本当に何をどう調べればいいのかわからない。


 僕は一流だからな。どんな厳重な警備をも掻い潜れる。企業を調べるには会計帳簿が欠かせない。

 帳簿は不自然なほどクリーンだった。これは裏帳簿があると睨んで、トーマスの自宅にも潜入した。暗号化されていて解読に時間がかかったが、なんとか成功した。一番怪しかったのは、「あの方」という謎の人物への送金記録だ。これが当たりだと、僕の勘が告げている。


 送金方法は現金の輸送。追跡を試みたが失敗に終わった。輸送担当者は複数で全員偽名を使っている。しかも現地で雇破れた人も含稀ているという徹底ぶり。

 大陸一の資産家が「あの方」と呼ぶ人物。興味深いな。

 恐らく規模の大きい組織が存在し、そのリーダーが「あの方」で、トーマスが幹部の一人なのだろう。どんな組織で、何を目的としているのか。この組織の正体を掴めば、この戦争の仕組みをわかるようになるかもしれない。

 国のために、世界のためにも、僕がやらなければならない。

 

 まずは、遺書を書くことから始めようか。

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