表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
283/314

戦争介入編II 第5話 前 自由でございますか?

 「やっばり双六の方が楽しいかも。人生ゲームってお金を溜めるだけのゲームだし。双六みたいにみんなワイワイやる方が楽しい。商店でお金使ってカードを買うのも意味わからないし。それだったら最初にお金を手に入れられる人が有利じゃない?」

 「そうなのよ。人間って不平等なの。生まれ育ちで人生が決まるって言う人もいるくらいだもの。生まれながらに障害を持つ人もいるし、家庭によって受けられる教育の質だって違う。それに、裕福な家庭に生まれてもそれはそれで悩みがたくさんあるの。親の期待に応えなきゃっていうプレッシャとかね」

 「人間も大変なんだね」


 これよ! 私がドラゴンさんに伝えた勝ったこと!


 「ドラゴンさんは人間と魔人が自由で羨ましいって思ってるでしょ」

 「うん」

 「でもね、実は、人間って全然自由じゃないの。勇者として人生ゲーム進めてどう思った? 3ターンごとにクエストをこなさなければいけないし、悪いこともできない」

 「うん。今度は勇者以外の職にする」

 「人間は自由に見えるけど、実際に学校、就職、結婚、出産、育児、定年退職、そして死……。そういう決められたレールの上でしか進めない不自由な存在なのよ」

 「人生ゲームみたいに、マスの上しか進めないんだね」

 「そう。しかも人間が殆どが自分がなんのために生きてるのかもわからないという。ドラゴンさん一位になったよね。私達よりたくさんのお金を手に入れたけど、それで幸せだと思った?」

 「勝ったのは嬉しかったよ。お金はカード買えるし、たくさんのお金を持って商店に入った時は興奮した。でも、双六をやってる時の方が楽しかった」

 「その通りよ。家族、恋人との時間、健康を犠牲にして、手に入れたお金で、結局何が得られるもの? 他人からの羨望の眼差しは心地良いかもしれないし、誰かを見下して優越感に浸るのは気持ちいい。でも、そうそれって本当の幸せを知らないからよ。だからね、ドラゴンさんには自分なりの本当の幸せを見つけってほしいと思うの」

 「幸せを見つけるって言っても、私そもそもこの部屋から出られないし」

 「うん。だからね、クネスから許可を貰ったの。ドラゴンさんがこの部屋を自由に出入りできる許可を」

 「ガチ? 私、ガチでこの部屋を自由に出入りできるの? 自由になれるの?」

 「そうよ。ドラゴンさんがこの世界に災いを齎すことはないって信じるから」

 「リリーナ! ありがとう!」

 「行って。竜騎士のドラゴンとしてではなく、一匹のドラゴンとして生きるのよ。もし寂しいと思ったらいつでもここに戻ってきて。私やクネスが暇だったら、また一緒にゲームでもしようね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ