戦争介入編II 第4話 前 妨害でございますか?
さあ、ゲームを続けよう。
ステータスには身体能力、魔力、学力、センスの4つがあって、みんな順調にステータスを上げてる。まあ、幼児期エリアにはアンラッキーマスを設置してないからね。
ステータスの上昇は引いたイベントカードによって決まり、当然ステータスには格差がある。魔力は基本的に身体能力の上位互換で、身体能力が高くても魔力が尽きたら戦えない。身体能力が高くても魔力の消費が緩和されるだけで、結局魔力が前提の身体能力になるように設定してある。
ゲームバランス? 全く考えてなかったわけじゃないけど、それより優先したいことがあるの。
「あっ、待って、そのマスに止まって」
「ここ?」
「うん。ここで成人して職業選ぶのよ」
まあ、この世界の成人年齢低いしね。職業はステータスに関係なく自由に選べる。ただ、収入はステータスに依存するから、職にあったステータスを持っていないと後で苦労することになるの。
もちろん、他のみんなはそのことを知らない、好きな職業を選んだ。ドラゴンさんは勇者、ロッティは事務職、種族を魔人にしたドロシーと私はそれぞれ魔界哲学者と吟遊詩人に。
そうね。もし桜子がこの世界に転生しなかったら、アサとも出会わなかった、私は吟遊詩人になってたかもしれない。
まあ、それはさておき。
「テメェ、ふざけるな!」
「あはっ! あはは! 悔しかったらやり返して見なさいよ!」
この二人、こんなに関係悪かったっけ。そう言えば楽団に潜入して正体がバレた時、ロッティはドロシーを殺そうとしてたことがあった。
「ロッティ、よくこのコンボ気づいたね」
そう、この人生ゲームを盛り上がるために、協力と妨害要素を入れてあるの。
ロッティは事務職だけど、学力よりも身体能力と魔力の方が高い。でもきっと普通の人間の人生を歩みたかったから事務職を選んだと思う。
で、協力と妨害要素として、イベントカードが買える商店マスをいくつ配置しておいたの。通り過ぎても止まってもカードを購入できる。
それで、ロッティが購入したカードは悪党カードで、5マス以内にいる他プレイヤーにカツアゲできるカード。取れる金額は戦闘力の差とサイコロの出目次第。サイコロが1〜4なら戦闘力の差×2倍の金額、5〜8は3倍、9〜12なら逆に相手に5倍の金額を弁償するというハイリスクなカード。
でも、ロッティはこれを使って連続で2ターンもドロシーからカツアゲしたの。2回目は10が出て、ドロシーが勝ち誇った顔で「ザマァ」と勝利宣言した瞬間……ロッティがもう1枚カードを出した。そう、「肩代わりカード」を。




