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戦争介入編II 第3話 後 有限でございますか?

 「つまり、子供が勉強することで知識を蓄えつつ、さまざまな知識を触れながら、自分の将来を模索する手助けになるの。たとえ理想の自分になれなくても、学んだ知識を活かして生計を立てる道を見つけることができる」

 「そっか。でも今ってみんな稼ぎのいい仕事ばかり探すのよね」

 「そう? ドロシーにとって演奏家はお金稼げる仕事なの?」

 「俗物どもと一緒にしないで」

 「人間にとって、お金ってそんなに大事なの?」

 「大事よ。魔人と違って、人間は生きるために食べる必要があるし、生活するためにお金は欠かせない。だからこそお金のために犯罪に手を染める人も沢山いるのよ」

 「そういえば、このゲームは財産の量を競うゲームだったよね。てっことは、人間にとって一番重要なのはお金ってこと?」

 「俗物はみんなそう思うのよね」

 「じゃあ、お金より重要なものって何?」

 「えーっと、理想とか夢とかかな。ミシェル! ミシェルはどう考えてるの?」

 「そうね。お金が一番重要ということはまずない。何せ、お金の用途って結局ものを買うこと。つまりお金は何かと交換するために使うものなの。もしお金が一番重要だとしたら、誰も大事なお金で買い物したりしない」

 「あっ。なるほど」

 「じゃあ結局、なんで財産の量を競うの? 人間にとって本当に一番重要なものって何?」

 「幸せだと思う」

 「幸せ?」

 「そう。昔読んだ本に書いてあったんだけど、人間、ううん、知的生命体はみんな欲求を満たすことで幸福感を得ている」

 

 まあ、前世で読んだ本の話なんだけど。


 「まあ、簡単に言えば、まずは生命維持が出来て、安心して暮らせる環境を手に入れる。それから人に愛され、認められ、理想を実現していけば、人は幸せになれるそうよ。そのためにはお金が必要」

 「じゃあやっぱりお金が一番重要なんじゃないの?」

 「違うよ。お金はあくまでも手段であって、目的ではない。しかも、収入と幸福度は確かに正比例するけど、一定の水準を達すれば幸福度の上昇は鈍くなる。つまり、生活に困らなければお金はそれほど重要ではなくなってしまう」

 「ミシェル、さすがだね」

 

  この内容は以前アサ達にも説明したことがあるけど、ドラゴンさんに説明したいことはこれだけじゃない。


 「でもアイちゃん、やっぱりお金は多いに越したことないでしょ」

 「うん。でも、困ったことに時間は有限で欲望は無限なのよ」

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