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冒険編 第4話 初戦でございますか?

 「って、お嬢ちゃん達、職業は? 杖を持ってるお嬢ちゃんは魔法使いだろう、そっちは? 武器持ってないみたいだが」


 「魔物研究員です」


 「魔物研究員? なにそれ」


 どうやら魔物研究員はあんまりいないみたい、そうね、例え魔物に詳しいでも、戦闘職業の方を教えるよね、研究員は普通冒険者にならないし。


 「魔物研究員か、じゃゴブリンキングについて教えてもらうか」


 「いいけど、まず魔物と魔人の違いについて話しましょう」


 「そんなの常識だろう、魔人は知能がある、魔物はないだろう」


 「そう、では、どうして、ゴブリンは知能あるのに、魔人に分類されないですか? 」


 「それは・・・」


 「おい!若造、黙って聞けえ」


 「うっせえ、じじい! 」


 うるさいのはあなただろう、こう言う人の話を最後まで聞かない人は嫌い。


 「では話を続けましょう、話を聞かない人は、あっ、違う、ゴブリンは」


 あっ、口滑った。


 「ははは」


 「おい、笑うな、無口ちゃん、お前・・・」


 「ゴブリンは知能のギャップが大きい生き物です」


 「どういうこと? 」


 おっさんまで、説明するからちゃんと聞いてくれないかな? 男は本当にせっかちだから!


 「喋れるゴブリンと喋らないゴブリンがあるでしょう、武器が作れるゴブリンと不意打ちするゴブリンもあるのよ、ゴブリンキングの傍に側近沢山いる、知能も高いので、不意打ちに気をつけるのもゴブリンキング戦の大事な所です」


 「あなたにもっと早く出会ったら、母は・・・」


 おい、重い話は止めてよね、話し辛くなるだろう。


 「ご母堂はどうかされましたか? 」


 「ええ、先日のゴブリンキングとの戦闘で亡くなった」


 「ご愁傷様でございます」


 ちょっと、アサ、話をそっちに持っていかないでよ。


 「セシリア、あなたも黙って聞け」


 「すみません」


 おっさんナイス。


 「ゴブリンキング自体も侮れないです、頭の回転が早い上に、身体能力も高い、弱点属性がないから属性魔法の効果もあんまり期待出来ません、魔法防御も高い、中級魔法以下の魔法は多分有効なダメージを与えないでしょう、急所は人間と同じですけれど、ゴブリンキングは知能が高いので、急所に防具を付けるでしょう。バリーさん、あなたが戦ったゴブリンキングは急所に防具を付けたの? 」


 「付けたよ」


 「そうなると、セシリアさんのランス攻撃は多分効かないと思います」


 「ええ、傷一つつけなかった」


 「アサの魔法も効かないので、オオ二さんとバリーさんは攻撃の要のなってもらいます、この地図を見てください、ゴブリンキングはここにいるから、アサとあたしはこの高い場所から、側近のゴブリン達を狙撃します、セシリアさんは二人のサポートと回復」


 「おお、すげぇ、無口ちゃん、戦術も立てるのか」


 あなたこそすごいよ。こんな頭でよく今まで生きてこられた。まぁ、今回で死ぬけどね。


 地形も地図で確認したけど利用出来る地形じゃない。


 予定通り、高い場所に着いた。戦場が丁度下だから、遠距離武器を持ってもこっちに狙いにくい。あたし達は安全な高い場所で高みの見物だ。


  ゴブリン避けも調合したし。でも、うげ、これは臭い。ゴブリンと言うか、人間も駄目でしょ、こんなもの。体につけるわけがない、ゴブリンが来たら投げ出そう。


 見えた。あれがゴブリンキング。普通の三倍くらいの大きさがある。金砕棒みたいな武器を持っているし、本物のを見て、思うことが一つある、図鑑の絵は本当に下手だな。


 戦闘が始まった。あたしの為に戦え。


 「アサ、オオ二とバリーを援護して」


 「はい」


 傷一つも付けないなら困る、最上級魔法で一撃倒せるけど、あれを使うと、雲を作るから、アサ・オカンはここにいるって言っているみたいなもんよ。


 せめて、上級魔法で倒せるまで削ってもらわないと。


 でも、この量やばいわ。二十五、いや、三十匹いるかもしれない。


 「アサ、遠距離武器持ちのゴブリンを先に倒して、あたしが探すから、指示通りに魔法を撃って」


 「はい」


 生き物のオーラしか見えないとセットしたから、索敵も出来る。でもアサに力のことをバレないように望遠鏡を用意した。


 「まずはあっちのボウガン持ちのゴブリンを」


 ええ!? 今火魔法が発動した、でもなんで? だって、アサは詠唱してない。


 「この杖は叔母様のお土産、嵌めっている魔法石は威力を増幅させ、下級魔法なら詠唱無しで発動できる」

 

 アサ強いな。あいつらもこのメンバーの中で一番強いなのはアサだと知らないよね。

 

 そう言えば、気になるどころがある、バリーの妻は前のゴブリンキング戦で戦死した。なのにどうしてあたし達みたいな見知らぬ人とゴブリンキングを討伐するの? それも役立たず一人とゴミ二人、まさか本当にオオ二になめられたから、そんな無謀をするわけじゃないよね・・・


 仇を打ちたくて仕様がない、或いは、妻を亡くしたから、ついて行きたいかもしれない。もし本当にそうしたら、このおっさん、四人を巻き込んた。まったく酷いおっさんだ。


 今の戦況は、ふむ、せっかくゴブリンキングについて色々教えたのに、無意味だった。


 っていうか、長柄斧とグレートソードの相性悪い過ぎない? 両方長いし。いや、その前に、あの二人、まさかと思うが口喧嘩してる? 


 呆れた。口喧嘩しながらゴブリンキングと戦うとは、もう、早く死ねよ! 


 あ、早く終わってお風呂に入りたい。まぁ、二人はもう傷だらけたし、セシリアも手が離せないし、もうそろそろ終わるか。


 「どうして殺しても、殺しても出て来るのですか? 」


 うわ、アサ凄く必死た。


 「リリーナ、風魔法使ってもいいで・・・いいか? 」


 「駄目」

 昔、人間は安定の生活が欲しいから、村を作りました、けれど、そうすれば、村の周りの食べ物を食べ尽くしてしまう、ですから、村で食料を生産し始めた。

 

 役割を決める方が効率的だから、一部の人が野菜を植え、一部は動物を飼う。


 でも、食べ物をどうすれば公平に分けるんですか? 狩人が一番危ない、死か伴っている、耕事が一番大変ど、誰も自分が一番大変だから、一番多く食べ物が得るべき。


 そこで、物と労働力の価値が決まった、例えば、肉一枚は野菜五つに交換できる、一月働けば肉二枚与えられる。


 けれど、ここで、新しい問題があった、肉は野菜沢山交換出来るが、そんなに野菜は要らない、食べ終わらない野菜は腐ってしまう、品質保持期限があるから、食べ物で交換するのはいい案ではない、そして、金と言う概念が生まれてきた。


 つまり、金が現した人の本質は、働きに相応の報酬が欲しい、怠け者が嫌いと言う気持ちです。


 それは、人は未だ純粋だった頃の話ですけどね。  

                                 続く

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