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戦争介入編II 第1話 前 受け止めるでございますか?

 順調だ。聖なる武器のレプリカ製造工場の破壊工作が成功した。資料を全部燃やし、研究者を殺害、レプリカ製造に必要な聖なる武器のかけらの強奪にも成功した。これでレプリカの生産と再利用はできなくなるはずよ。仮にできるとしても、今までのような量産はもうできないと思う。何せ、聖なる槍はこっちの手にあるのだから。


 予定通り、セレンは魔獣を人間の兵士の後ろからを襲わせ、タイサは死霊術で蘇った魔獣を魔人の後ろから攻撃させた。

 聖なる武器は聖なる力が弱点ではない魔獣相手だと力が発揮できず、ただのよく切れる武器。魔人は魔獣の捕食対象だから魔獣に苦手意識を持っている。後ろから襲われたら戦ってるところではなくなってしまう。

 そして目論む通り、両軍とも撤退してくれた。

 まあ、一時的だとは思うけどね。次の手を打たないと。と言っても、私はもうケルベロスのリーダーではない。一応桜子の相談役みたいなことはやってるけど。


 それで、私が今どこにいて、何をしているかというと。


 「ちょっと、ドラゴンさん! やめなさい」

 「リリーナが悪いんだ! リリーナがっ!」

 「わかった! わかったからぁ! はぁ…」


 今、桜子の屋敷の地下、ドラゴンさんが閉じ込められてる地下牢にいる。

 ドラゴンさんに押し倒されては起こされ、また押し倒される。まあ、気が済むまでやればいい。

 

 「死にたい……」


 不死ドラゴンジョーク? くっだらない。


 「ドラゴンさん、そんな悲しいこと言わないで」

 「嘘よ! リリーナは悲しまない! だって私を捨てたもん!」

 

 面倒くさい……。


 「見て、私の角、まだ生えてきてない! 私はドラゴンにとってすごく、すっごく大事な角をリリーナにあげたのに、リリーナは簡単に私を捨ててしまうんだ。傷付いたぁ! しんどい!」


 一応どう言いくるめるかは考えたけど、とりあえず言いたいこと言わせて落ち着かせよう。


 「ごめんね。辛かったね。寂しかったのね」

 「本当だよ! 寂しかったんだからぁ!」


 長かった……。


 「リリーナぁーっ!」

 「ドラゴンさん!」

  

 しんどかった。


 まあ、いいさ。話を聞くだけで解決したのだから。遊びの約束しなくて済んだし、最悪の場合、アサにドラゴンさんを殺してもらう予定だったからね。

 と言っても、遊びの約束はしてもいいのかもしれない。戦争を終わらせて、みんなと一緒に遊ぶ。そしたら、このドラゴンの寂しさも埋められるのかな?

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