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冒険編 第3話 嫉妬でございますか?

「リリーナ・ナナリーさんとニーナ・アイさん、おめでとうございます。今からお二人様はゴミランクの冒険者です」


 「ありがとうございます。オオ二さんにもお礼をしないと」


 「そんな、お礼だなんて、じゃ、俺と一緒にご飯を食うか? 」


 あの鬼人臭い、血と汗の臭いがする、お風呂に入ってよ!


 「ええ、喜んで」


 アサがこんなに微笑んでいる、やはりあたしだけじゃなく、誰に対しても、こんな態度を取るのか、自分だけが特別など、思い上がりもいい所だ。


 何? あたしを置き去りにして、あの鬼人と行くの? 


 待って、落ち着いて。なんですぐそんなことを考えるの? アサを信じなくでも、自分が立てた計画を信じないと。アサのコントロール計画は完璧はずだ。


 計画と言えば今回の計画は間違いだらけだ、アサにあたしのやり方が全部ばらした上に、アサがあの鬼人に付いて行く可能性だってあるのに。


 でも、やり方については大丈夫だと思う、アサはあたしの力のことさえ知らなければ心配はいらないはず、あの男があたしを盾にしたことも、あたしの計画の中なんて、普通考えられない。


 それにしても、アサは恋したことないからな、恋に落ちたら、昔のように、あたしの傍にいてくれるの? アサにとって、あたしは所詮ただの友達、友達より彼氏を優先するのも、普通だと思う、どうしよう?


 いっそ、アサをあの鬼人に汚されて、男性恐怖症にさせるのはどうだ? あたしの力があれば簡単だ、アサの下半身から運を沢山抜いて、あの男の下半身に送る。 ねぇ、簡単でしょう?


 いや、駄目だ、侵されることは、どんなに辛いのか、あたしがよく知っているじゃないか? 


 落ち着いて、よく見て、アサはただあたしの計画通りにしているじゃないか。


 じゃ、こうしようか、男コントロール計画(改)を実行しようか、あの鬼人が余りにもコントロールやすいから、使うまでもなかった男コントロール計画(改)を実行するか。


 「アサ、これを暗記して」


 「はい、それにしても、凄いね、リリーナ、あたし達、全然戦わなくてもゴミランクに上がった」


 「でも、お風呂に入れる為に、火と水属性の魔法、早く習得してよね」


 「もうすぐ火と水属性の中級魔法を使えるのよ」


 「早いね、じゃ、あたしに下級魔法を教えて」


 「いいよ、手を貸して、ふむ、リリーナは風と水属性を使える」


 「え!? 使える魔法の属性って、だって、アサは全部使えるじゃない? 」


 「いや、あたしも光と闇属性の魔法が使えないの」


 「そんな属性もあるんだ」


 アサがあの鬼人に惚れているかどうか、明日で分かるはず。


 「おはよう、オオ二さん」


 「おはよう、ニーナちゃん、無口ちゃんも」


 無口ちゃんって・・・まあ、いいけど、アサ、計画実行だ! 


 「あの方は平均以下だわ、オオ二さんより高いです」


 「俺だってすぐ平均以下に成れるさ」


 「それに、あの斧はミスリル製だわ」


 「あんな武器を頼っても、弱ぇ奴は弱ぇんだ」


 男の嫉妬は見苦しいぞ。


 「なん・・・だと」


 ちょ、声大きい、あっ、あのおっさん、こっち睨んでいる、隣の女の人も困った顔している。


 でも、このおっさん強そう、白い髭も渋い、隣の女の人は娘かな? 赤髪、おっさんの若い頃も赤髪かな?


 「でめぇは武器に頼って平均以下まで上がったと言っているんだよ」


 「儂は武器に頼っているか、いまいか、その身を持って確かめて見ようか? 」


 「望むことだ」


 「バリー、落ち着いて」


 あれ!? なんが計画と違う。元の計画は、アサが別の男を褒めて、あの鬼人の嫉妬を煽って、よりやる気を出せる、まだ、アサがこいつに惚れているかどうかも分かる作戦なのだが。


 アサの作戦は成功した、あの鬼人に惚れたら、他の男を褒めたくないからな、今ただあたしの言う通りしているだけ。


 でも、こんなことになるとは思わなかった、でも、悪い状況も利用すべき。


 「ギルドに迷惑をかけるより、貢献すれば? 」


 「そうよ、リリーナの言う通りです、クエストで決着を決めましょうよ」


 「いいぜ、でも、こんなでかい口を叩いたからには、当然平均以下のクエストに行くよね? 」


 「ちょ、バリー、この人達とゴブリンキングを討伐する気? 駄目よ」


 「おい、お前、逃げるなど言わないよね! 」


 「勿論さ」


 「バリー! 」


 「ミスリル製の斧より儂の方がずっと強いことを、この若造に示さないとな」


 いや、ゴブリンキングはやばい。


計画がまたずれた、力をオンにして、駄目だ、これは、あの三人が死んじゃう、これ、あたしのせい?


いや、違うね、煽らなくでも、自信過剰の人は皆ほっといたら無理をする、だから、あたしのせいじゃないよ。


勝手に死んじゃえば?


 大体さ、あたしが何を言って停めるの?予知能力があって、あなた達が死ぬ未来が見たから停めるとか、言えるはずないじゃない、って言うかきっと信じて貰えないし。


いや、待って、ほら、これは平均以下のクエストだろう、クリアしたら、即役立たずに上がるよね、あいつらをゴブリンキングと相打ちさせて、あたしたちがクエストの報酬を独り占め出来る。例え相打ち出来なくでも、アサに風の最上級魔法の詠唱を準備させ、あいつらが死んだら、すぐアサに魔法を発動させれば倒せる、つまり囮になって貰う。


悪く思わないことね、例えアサでも、火と水の中級魔法だけで、あいつらに加勢に行っても、ゴブリンキングを倒せないでしょう。


でも、念のために、ゴブリンの苦手な匂いを調合しよう。


皆さん、何をするにも、最も考えるのは、初めてする時と思いませんか? 初めて何をする時は、もっと集中する、一生懸命考える、緊張もするはずです、だって、経験がないもの。


けれど、成功したら、二回目をする時、緊張はしませんし、思考もあんまりしません、経験があるから、一回目通りにすれば成功します。三回目はもう、片手でも出来る気分ですね。


それは進歩しない人の考え方です、進歩する人は、二回目をする時はもう改良する方法を考えでいます。


それに、同じことをしても、毎回同じ状況とは限りません。


思考をやめる時点で、人は進歩しません、経験は大事ですけれど、頼っていいものでしょうか? 


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