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戦争介入編 第10話 後 旅行でございますか?

 旅行は好きではない。「骨折り損のくたびれ儲け」という言葉は旅行のためにあると思うくらい。写真で見られる風景、お金があればネットでも買える特産品。わざわざお金を払って旅行に行く必要はないと思う。旅行は自分の幸せをまだ見つけられていない人が、幸せそうな人の猿真似をすること。偽りな幸せをアピールするためにすること。まあ、旅行するのに写真を撮らないのは、行ってないと同じ、なんて言う人もいるから、私の考えはあながち間違いでもないじゃない? 


 「リリーナ! 修道服レンタルだって!」

 う〜ん。浴衣レンタルみたいなものなのか?

 「レンタルしてみようよ」

 修道服か。一応潜入するために着たことがあったけど。

 と思ったけど、違った。店員さんの話によると、店ごと得意とする修道服のアレンジがあって、このお店はデザイナーが複数名いて選べる種類の多さが売りらしい。


 「これなかなかいいじゃない。リリーナの足、綺麗だし」

 アサが私に選んだのはチャイナドレス並みに長いスリットが入ってて、歩くと足が見えてしまう修道服。


 「アサ、流石にこれは……」

 「いいではありませんか!!」


 アサのテンションが高すぎたせいか、店員さんが来てしまった。ごめんね、うちのアサが。


 「お客様」

 「え?」

 私?

 「うちの専属モデルになる気はありませんか」

 は?


 「実はお客様が今着ている修道服をデザインしたのは私です。お客様のような美少女に着せるのは私の夢なんです! ああ〜 インスピレーションがぁっ!」

 女性じゃなかったら通報してた。

 

 「スリットにチラ見せるガーターベルト、あなた天才ですか」

 「入信式は?」

 「ううん」

 「じゃあ、露出度は気にしなくていいのですね」

 「え?」


 私は二時間ほど着せ替え人形にさせられた。


 アサと修道服を着て、色んな名所を回って、食べ歩きして、美味しい料理沢山食べた。

 この数日、幸せ、と言えなくもない。なんだか、転生する前に置いてきたものを、ちょっとだけ取り戻せたような気がする。

 旅行は……思ってたほど、悪くはなかったかも。疲れるのは、まあ、そうだけど。思い出は作られたと思う。

 

 いっそのこと、一年を待たず、このままアサと旅行続けるのも悪くないかもしれない。お金がなくなったらまた冒険者に戻るのもいいし、なんなら本当にあのお店の専属モデルになるのもありかも?


 そんなことを考えてたら、通信石が震え出した。


 「リリーナ様、戦争が再開しました。至急本部までお戻りください」

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