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戦争介入編 第9話 後 刹那の感動でございますか?

 それから何日かが経ち、勇者達は魔獣の群れを発見し、魔獣の骸が大量にある場所も見つけた。これで、人間と魔族以外の戦力を確保できた。

 ソニアの報告によると、人間達は聖なる武器のレプリカを使って、桜子のドラゴンの戦場を分断したブレスの瘴気を取り除こうとしてる。それで気づいたのだが、どうやらあのレプリカの聖なる力は無尽蔵ではなく、聖なる武器オリジンでチャジーする必要があるらしい。しかし、聖なる槍は長い間使い手がいないため、聖なる槍から取り出した力はまだまだ尽きないとのこと。

 ふむ、ケルベロスが表舞台に出る日が近いかも。


 「リリーナ、これからどうする?」

 「そうね。また旅行でも行こう? 今回はあの宗教国家に行ってみよう?」

 「宗教国家。リリーナまた何かを思いついたの?」

 「ううん? 何も?」

 「じゃあ何しに宗教国家に?」

 「だから旅行だって」

 「私と? 二人だけ? 偵察とかじゃなくて二人で楽しめる?」

 「うん、そうだよ」

 「いいの? だって、リリーナは……」

 「いいのいいの。約束した通り、一年後にはここを去ることになるし、早いとこ自立させなければね。アサと目的のない旅を始めてもいいのかもしれないと思うの。アサはどう思う?」

 「ひっ、う……」

 「何も泣かなくても……」

 「私、仕事と私どっちが大事、みたいなことをずっと口に出しそうになって。でもそんなことを言ったらリリーナに嫌われると思って!」

 そんな思いをさせたなんて……と言ってもね。私だって、アサを安心させるために精一杯頑張ったつもりよ。前世のことを二度話したけど、最初の一回は聞き耳すら持たなかったし。


 「ごめんね、辛い思いさせちゃって」

 「いいえ! いいえっ! 私はリリーナを信じていた。でも女性同士で、リリーナは美人で、リリーナのことが好きな人も沢山いて……! 他の人が好意的な目でリリーナのことを見るたびに、私は……!」


 私はアサを抱きしめた。抱きしめたけど、私は今すごく冷静。アサが泣いてるのに、茶番ですら思えた。初めてのことではないといえ……。ここはアサと一緒に泣くべきなのに……。私はもう感動すらできないのか。


 まあいい。刹那の感動より、永遠の平穏な幸せを噛み締めよう。私は日常を手に入れ、丸投げされ、責任を負わされる運命から解放される。

 ソニアも通信石を使ってくれるから、一応緊急な状況になっても私に知らせることができる。そもそも私は兵法を知らない凡愚だし。私に頼ること自体が間違ってる。

 とにかく、今は旅行を楽しみにしよう。さあ、荷造りしよう。

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