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戦争介入編 第8話 前 優柔不断でございますか?

 まあ、そんな難しいことでもないと思う。この拠点にいる魔人は基本セレンに心酔してると言っても過言、か。まあ、女神様が望んでるとか適当なことを原稿に書いてセレンに演説させてればいい。

 

 いや違うちょっと待って。結論を出すのが早すぎる。リリーナ・ナナリー、あなたは何も学ばなかったの? あなたの決断一つで起こした暴動が多くの人を死なせた。余計な言葉一つで少年一人殺さざるを得ない状況にした。もっと熟考を重ねるべきよ。

 そもそも魔人は寿命が長いから、代替りの頻度も少ない。基礎を学ぶ時間は節約できて、人間よりも経験を積み重ねられる。もし魔族が本格的に文明を発展させ始めたら、人間よりも早く発展するはず。でもそうはならなかった。

 ゴーストの話が本当だと仮定し、人間は本当に魔人のプロトタイプだとしたら、魔人のこの現状は女神の意思なのでは? うーん、想定内? それとも想定外? 魔人は人間の改良品と言っても実験性がないとは言い切れないし。あっ、それだったら別に魔人が滅んでも私と関係がないじゃない? 

 違う。責任の所在なんて関係ない。魔族の滅亡、あるいは魔族の地位の低下、それを見たいかどうか。もちろん、逆もそう。人間が滅亡、または地位の低下も見たくない。だから魔族に力をつけさせすぎるのもよくない。


 なんで私がこんな……。私だけがこんなに悩んで、他の人や魔人は呑気に生きていられるの? それじゃあアイの時と同じではないか? 丸投げされて、失敗した時は責任に負われてみんなが離れていく。やはり私は受難の転生から抜け出してないじゃない? もしかしたら元の世界の神様が今の私を見て笑ってるかもしれないね。「記憶が消されず、能力も与えられて受難の転生から抜け出せたなどと、その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ!」とか思われてそう。


 はぁ。人間……ううん、知生がいる限り、戦争は起きる。戦争を左右するのは技術。そして魔人と人間の差は技術で埋められつつある。けど、私が魔族の技術を発展させれば、魔族は優位に立ってしまう。あるいは人間がそれに対抗するために今以上技術発展に力を注ぐ。そういえば元の世界にそんなアホがいたよね。あるものを発明し、それが武器として使われたことで、生まれてきたことを後悔し、その発明品で稼げたお金で賞を創設したアホが。それで罪滅ぼしのつもり? 私はあのようなアホにはなりたくない。でもそのまま何もせず将来魔族が滅ぶのを見るのも嫌だ。

 ならこうしよう。演説はセレンにさせるのではなく、ソニアにさせるか。もちろん宗教を利用しない方向で。助言はする、でも強制はしないスタンスでいこう。

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