戦争介入編 第6話 前 一部でございますか?
気が重い。あんまり話したくないな。でも、私が今まで築き上げたのは確かなもので、この会議に出席したみんなは私を賛同してここにいるわけよ。だから、みんなは種族がどうのこうのより、私の言葉を耳を傾ける、そう信じたい。
「残念ながら、ゴーストや、一部の人間を嫌う魔族の察しの通り、一部の人間は魔族を資源としか考えていない」
「「「……」」」
「どう言うことだ?」
「確定情報なので信じて欲しい。とにかく順を追って説明すると、魔法石の発展で人間は人間が使えない魔法を、魔法石を作ることで使えるようになった。魔法石の材料は最初は鉱石、それから植物、魔物。当然魔人も魔法石にできると知った人間は、一部ではありながら、魔人を魔法石にすることはやぶさかではなかった。ここに私のちょっとした考察を挟むんだけど、前回のゴーストの話によると、女神様は恐らく人間と魔族の共存を望まれているようで、新しく生まれた魔人達に、人間の生活の改善できる魔法を授かれたと私は思う。ソニアの農業に役に立ちそうな魔法がその一例」
もちろん、私が一国の王様をゾンビにしたことは秘密にする。片方が力を持ちすぎると、片方だけ有利な状態で戦争が終わって、もう片方が大変なことになるからね。理想としては戦争は無意味だと気付かせ、やめさせる。
「けど、一部の人間は魔人の魔法を知って魔人もまた資源の一つだと考えるようになった」
「愚かな……」
勇者や他の人間達も思いあたる節があったか、辛そうに俯いた。
「それと、実は前回の戦争、獣人云々はただの口実で、大きな目的の一つは聖なる槍のレプリカの実用テストだった」
「そんなバカな! そのために私たち獣人を……!」
「ローティ、ちょっと落ち着いて」
「でも……だって!」
「気持ちは分かるよ。でもね、人間を憎んで欲しくて話したわけじゃないよ。先からずっと強調してるように、一部の人間がそうであって、みんながみんな他の種族を資源として見てるわけではないの。例えそうなったとしても、それを変えるのは私達の使命だと思う。だから、ね?」
「……うん」
「で、話戻すけど、今回の戦争の人間側の目的はやはり魔王だった。でも魔王が悪だから倒したいわけではなく、他の国より早く魔王を倒し、その体で魔石を作って大陸を統一したいと考えてる」
「まじか……」
「ゴーストはちょっと過激だと思ってたかど、人間は勝るとも劣らなかったか」
「で、ここからが本題なんだけど」




