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戦争介入編 第5話 後 冷酷でございますか?

 「すず、お疲れ様」

 「桜子、迎えに来てくれてありがとう」

 「ううん。すずが一時停戦させてくれたから、こんな風に自由時間が作れた。転生して以来、人間の国に行ったことないから嬉しいよ」

 「そういえばそうだった。じゃあ楽しめなくちゃね」

 「うん!」


 とはいえ、どこに行けばいいのかな。拠点に戻って報告しなくちゃだし、そんなに時間がないかも。でもせっかく桜子が人間界に遊びに来たし。


 「すず、ちょっと元気ないみたいだけど、大丈夫そう?」

 え? 顔に出てたの?


 「大丈夫だよ。そんなことより、何か美味しいもの食べにいかない? 給料貰ってたから太っ腹よ」


  まあ、トーマスからの資金があるからお金に困ることはない。


 「もしかして、すずの母さんのこと気にしてる? 私、最悪の場合、すずの母さんが死ぬまで待つよ。私とすずは魔人だから寿命はかなり長い。両親はとっくに歳を数えるのをやめたし。すずは私の祖先と同じく、ドラゴンの部位で魔人になったからきっと物凄く長生きすると思うよ」


 桜子、そんなこと考えてたのか……。


 「それに、私はすずの母さんと違って、この感情が恋愛かどうかはまだ分かっていないんだ。嫉妬はするけど、ああいう対象としては見ていない。すずが昔、前世のように側にいてくれて、お話しが出来て、一緒に遊べたら満足よ。だからお願い、私の側から離れないで!」


 桜子、ごめん! もうアサと約束したから! でも、アサが死ぬまで待ってくれるって……いやいや、流石に桜子に悪いよ? いや、チャンスを与えない方が悪い? うん、この話題はちょっとまずいかも。


 「違うの。実はこのことで悩んでるわけじゃないの。桜子は……前世の記憶を取り戻したあと、人を殺したことある? ……あるよね」

 「……うん、あるよ」

 「私ね、前回の戦争を止めた時は、人を沢山アサに殺させた。他に選択肢が思いつかなかったから別に悪いとは思って……なくはないんだけど。今回は私自ら他人の命を奪った。しかも片方は私のことが好きだった。ううん、それだけではない。殺す必要なかった! 私が、自惚れて、言葉で誰も説得できると思い込んで! 私が!」


 桜子は私のことを抱きしめてくれた。私は桜子をしがみついて泣いた。

 

 アサには沢山人を殺させた。でも大義のためだと思って今まで気にしなかった。でも私数日一緒に居て、好きだと言ってくれた人の死に顔は流石にちょっと応えたみたい。でも成果は確かなものだ。元帥だけでなく、国王までゾンビに出来て、国王の口から人間側が戦争を仕掛けた本当の理由を聞けた。


 レオン様、どうか、安らかに眠ってください。

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