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戦争介入編 第4話 前 脅迫でございますか?

 「……リサ、まさか! 君は獣人だったのか!」

 「いいえ。私は魔人でございます」

 私、何やってるの? 元帥から運を抜いてから一時間しか経っていないのに。今何かトラブルが起きて、元帥が死ぬ前に屋敷から追い出されたら、元帥をゾンビにすることが出来なくなってしまうというのに。

 

 「もしかして父上を狙ってこの屋敷に? まさか父上を暗殺しようと…!」

 もう暗殺したけどね。

 「私はただ人間側が戦争を始めた本当の理由を知りたいだけです」

 「魔王討伐だよ」

 それは恐らく表向きの理由でしかない、何故なら……。

 「我々魔人は知的生命体です。話が通じます。魔人がみんな魔王の命だけで動いているわけではございません。なのに、人間側は対話を試みもせず、最初から魔王討伐の名目で戦争を仕掛けたのです。おかしいとは思いませんでした?」

 「でも魔王だよ! 魔王は善人だとでも言いたいのか」

 「レオン様、先入観に囚われるのは良くないですよ。それに、魔人はそれまで人間と共存、は少々言い過ぎかもしれませんが……。人間は魔人と共に暮らした時代がありました。女神の像の造形に関する意見の食い違いで、二つの種族び関係が拗れて、別々に住むようになりましたが。でも、人間と魔族は共存できると思います」

 「リサがそういうのならそうなんだろう」

 あれ? 納得させたと言うより、私の機嫌を伺い、反論するのをやめたって感じ。

 「そんなことよりさ、リサはどうやってその、人間側が戦争を仕掛けた本当の理由を調べるつもり? 仮に本当にそんな理由があるとしても、父上は素直に教えてくれないと思うだが」

 「それは……」

 殺してゾンビにするなんて言えないし。


 「僕にできることがあれば言ってくれ!」

 邪魔しないでもらえば……。


 「いいえ。レオン様を巻き込むのはちょっと気が引けます」

 「父上の書斎に潜入すれば何らかの文書や手紙を見つけるかもしれない。僕なら!」

 しつこい。っていうかどうしてそんなに必死になってるの? あなた昨日まで人と目を合わせられないのに。

 

 「レオン様にそんなことさせるのは……」

 「じゃあどうして僕に正体を明かした? 僕の協力が必要じゃなかったのか!」

 本当それ。私、何やってるのか……。

 「私はただ、レオン様に魔人のことを嫌って欲しくなかっただけです」

 「そうか。僕の協力は必要ないってことか」

 「レオン様、ありがとうございます。ですが、気持ちだけで十分です」

 「そうか。じゃあ言い方を変えよう。父上にこのことを報告して欲しくなければ、僕と結婚してくれ」

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