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ピースフルケルベロス編II 第13話 後 嫉妬でございますか?

番外編も同時に投稿したのでお忘れなく。

 「どうだった?」

 「思ってた通りな人間でした。理屈を弄するのが得意で、人身掌握に長けてるように感じました。やはり、ゴースト様が睨んでいる通り、セレン派の要は間違いなくリリーナ・スネークなのでしょう」


 人形みたいに綺麗な子だった。あの外見なら苦労は……いや、美しい外見を持つものには、それ相応の悩みがあるはずだ。


 「ああ。セレンのようなつまらない魔人が相手だったら俺はとっくに魔界を掌握してた。リリーナ・スネーク、こっちにとっても邪魔な存在になってきたな」

 「お言葉なんですが、それならどうしてリリーナ・スネークを野放しにするのですか。ここに来ると確信していたのならどうしてもっと戦力を集めてリリーナ・スネークを女神様の元へ送らないのですか」

 「あの人間は……いや、あの人工魔人は我々にとって邪魔な存在になってはいるが、それ以上に人間側にとっても厄介な存在だ。魔族の王、魔王を魔王としてたらしめるのは、比類なき力だ。一方、人間の王は何を持って王にたりえるのか、元人間のお前なら知ってるだろう」

 「リーダーシップですか」

 「そうだ。統率力だ。その王達の統率を乱してるのは他でもない、あのリリーナ・スネークだ。あの人工魔人を生かした方が我々に利がある」

 「私も同じことができます! そのために私にこの魔法を授かったではありませんか」

 「そうだ。だが、お前にはまだ早い。その固有魔法を持つ魔人の部位の移植を成功したのは今のところお前一人だ。その魔法の効果に対する実験はまだ足りないし、現にお前はアサ・オカンへの洗脳に失敗したじゃないか」

 「それは……」

 

 確かに私の固有魔法は洗脳というより、相手の感情を読み取り、それを増幅させるだけのもの。たまたま今回の対象であるアサ・オカンのリリーナ・スネークへの感情があまりにもわかりやすかったからうまくいったかもしれない。それでも洗脳はリリーナ・スネークによって解除された。今の私がリリーナ・スネークのように人間の国で暴動を起こせるかどうかと言われたら、できるとはっきり答えられないかもしれない。悔しいけど、今の私はリリーナ・スネークの代わりにはなれない。


 リリーナ・スネーク、君のことは嫌いじゃないよ。親切感さえ覚えた。でも私はいつか必ず君を越えて、女神様の元へ送ってあげるよ。

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