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ピースフルケルベロス編II 第11話 後 生まれた理由でございますか?

 「……いいでしょう。では、歴史の勉強でもしましょうか。と言っても知る人は殆どいないですけどね、昔の魔界幹部が忘れることにしたから。ゴースト様の前任の方々だけが、受け継ぐことにしました」

 話してくれるのね。手ぶらで帰らずに済むといいけど。


「魔王様が眠りに入る前に、魔王は女神様から魔族の生まれた理由を聞かされました」


 え? あっ、そうか。神様はちゃんといるのだった。


「その理由というのは?」

「創造物が自殺するのは神の落ち度らしいですよ。人間が命の尊さを再認識させ、また、醜い人間同士の蹴落としあいを減らすため、魔人という人間の共通の敵をお作りになられたそうです」

 え? つまり、魔人は人間に倒されるために作られたってこと……? じゃあ、魔獣は?


「魔族はその役割をきちんと果たしました。自殺する人間は減りましたし、魔族に命を奪われてもそれは女神様の落ち度にはなりません。聖なる武器を人間に与え、聖なる武器が人間に勝利へと導いたことで、信仰心を深ませることもできました。概ね女神様の筋書き通りに進んだというわけです。ですが、魔族もまた女神様の創造物なのです。魔族だって感情を持っています。自分に与えられた使命を忠実に全うした魔王様の健気さに心を打たれた女神様は、魔族の存続をお許しになられた。代わりに、感情を持たない、本能だけで行動する、魔獣という種族を新たにお作りになられたのです」

「めでだしめでだし。それで? ゴーストさんは何が気に入らないの?」

「人間という生き物はやはり欠陥品で、魔人のプロトタイプでしかないのです。冒険者という魔物の駆除屋となる人が現れ、ギルドという体制を作ることで、魔物は多くの人間にとってもはや脅威ではなくなったのです。やはり女神様も人間という生物を救えないのです! 救いようがありません。再び女神様の落ち度になる前に滅ぼす必要があるのです!」

「あなた達だって人間……人間や元人間でしょに」

「だからです! 知っているとは思いますが、この村に暮らしてる人みんな迫害され、人間に絶望してます。この村はそんな人間の集まりです。それに……そういえばリリーナ・ナナリー」


 一々フルネームで呼ぶのやめてもらえる?


「何?」

「人間の中にも魔石を体の中に埋め込む人はいます。その人達はどうして人工魔人になれなかったのか、知ってます?」


 いや、そもそも人は魔石で魔物の魔法を使えるし、人工魔人になる必要ある? いや、魔法は使えるけど、私のように不死のブレスを吐くような体の構造が関わってくるようなことはできない、とか?

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