ピースフルケルベロス編II 番外編2 混合属性でございますか?
苦しい……。
「熱出してる。ごめん、リリーナ、私氷属性魔法だけは持ってないの。自分で氷出せる?」
「うん……」
そういえば、アサは私達の国の貴族や王族をたくさん殺して、内臓を魔法石にして移植したことで色んな混合属性を使えるようになった。うちは没落したからアサに奪われなかった。
「へ〜、人間の魔法って便利だね。私はドラゴン強化魔法しか使えないよ。ところで、混合属性のこと、詳しく聞かせてくれない」
「え? いやだけど」
「すず……」
「ちょっと! リリーナ風邪引いてるよぉ! リリーナに休ませて! 看病は私一人で十分だし」
「……私も……ごほっ……聞きたいなぁ」
「リリーナ……。はあ……わかったわ。水と火で蒸気。応用で霧も出せる。水と風で氷、水と土で泥、風と火で爆発、風と火で雷、火と土でマグマ、火以外の3つの属性で闇、4属性で光」
「じゃあ、光属性が一番強いのね」
「そうでもない。光属性は特定な相手しか効果を発揮しないの。アンデット、闇属性、あんたのドラゴン、魔王、そういう類の敵以外は目潰し程度の効果しかない」
「へ〜そうなんだ。でも、火と土で隕石とかじゃないんだね。雷は火と風だと思った」
「知らないわよ。実際そうなってるし」
「えーとね……」
「リリーナ、喋って大丈夫なの?」
「大丈夫」
「大丈夫じゃないわよ! 声が枯れてるじゃない?」
「心配しないで。大丈……こほっ……大丈夫だから」
アサが心配そうな顔してる。
「あくまで私の推論だけど、隕石は土単属性で出せる。何せ、隕石はただのデカい岩で、大気圏突入時の摩擦で、結果的に燃えただけ。隕石の威力は運動エネルギーによるものであって、燃える必要は特にない。雷属性は……ごほっ、多分摩擦で発生した静電気」
「摩擦?」
「そう。私の持論で推論なんだけど、四大属性にはそれぞれの特徴がある。火は化学反応、水は液体、風は気体、土は固体。火は温度を上げる、水と風は下げる、土は変わらない。火は熱エネルギー、水と風は運動エネルギー、土は強いて言えば化学エネルギーと位置エネルギーかな。このよう……こほっ……このようにっ! 水と風の温度を下げる特徴を合わさって、氷属性になる。雷属性は風の運動エネルギーと土の固体などの特徴が合わさって、雷属性になったと思う。砂とかの摩擦で生じた静電気を蓄積し、雷属性になってると思う。あくまでも推論なんだけど」
「なるほ……」
誰かがドアをノックしてる。
「入っていいよ」
「アイちゃん、風邪引いたを聞いて」
「リリーナ様、バナナはお好きですか」
「リリアちゃん、大丈夫?」
ロッティ、ソニア、勇者達、セレン。みんな、暇なの? でも、ありがとう、ちょっと嬉しいかも。
でも、一年後、私はアサと駆け落ちして、みんなを裏切るのよね……。




