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ピースフルケルベロス編 第11話 後 常識でございますか?

 「愛は性別と関係ないよ」

 そう。恋は知らないけど、愛は性別と関係ない。

あれ以来、ロッティとは言葉を交わせていない。無理もない。この世界はまだ同性愛についての理解がないんだし。もしかしたら気持ち悪がられてるかもしれない。……悲しいな。

「リリーナ、ただいま」

「おかえり」

ああ。この安心感。家族っていいなって思ってしまう。

「寂しかったよ」

アサに抱きしめられる私を見て、ロッティは何を思うでしょ……。私も、って答えたいけど、それだとロッティといても寂しいとロッティが聞こえてしまうかもしれない。なんでしょ。私が望む幸せな日常が遠く感じる。人間関係って難しいね。


長い旅路で体も心も疲れ切ってる私は睡眠魔法で眠りについた。けど、ぐっすり眠れる睡眠魔法はアサによって解除された。

「リリーナ! こいつ誰?!」

寝ぼけてるのかな? ここにいないはずの人がいるんだけど……。

「あははっ! ついて来ちゃった」

はぁ……。

「ドロシーさん。こんにちは。どうしてここにいるのか、教えてくれる?」

「どうしてって、親友の家に遊びに行くのは普通じゃない?」

いやいやいや……。え!? いや、言いたいことがありすぎて何を言えばいいのかわからない。

「アサ、状況説明お願い」

「いや、状況説明と言われても、なんか知らない女が突然リリーナの親友って名乗って屋敷に住まわせてほしいって」

「驚かせちゃったかな。人間語が通じるのは君だけみたいだから。でも、これも私と親友が一緒に暮らせるためにだ。わかってくれ」

「リリーナ、どう言うこと?! 親友って?!」

あーあ。アサに悲しい思いさせたくなくて、ロッティを拒絶したのに。

「あの、ドロシーさん。私がいつ、何処かでドロシーさんと親友になったのかな?」

「ミシェルったら恥ずかしがり屋さんだね。私を庇って獣人のお友達と言い争ったじゃない。それはつまりお友達より私の方が大事ってことだよね。だから私達はもう親友なのよね。それとも親友はいやで、婦婦になりたいのかな? ミシェルなら女でもいけると思うだよね」

「アサ、見てる通りこの人は常識が……あ、いや、常識に囚われない人なんだ。先ので状況をある程度理解できたと思うけど、アサが心配するようなことは何もないから安心して」

「そうね、リリーナを信じないとね」

「で、ドロシーさん。ここは魔界だよ。食べ物も簡単に買えないし、人間語が話せる人は数名しかいないし、何よりあなたは演奏家になる夢があるじゃなかったの? ずっとここにいていいの?」

「私はミシェルと演奏できればいいような気がしたの。それにミシェルもこの人も人間だよね。私の分の食べ物用意すればいいじゃない? 親友だし」

なんなんのこの人?


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