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ピースフルケルベロス編 第5話 前 恋しいでございますか?

 「本当にケルベロスにします?」

 「そうだな。もうちょっとケルベロスなんたらにしよう。軍は良くないって言ったから、ケルベロス和平隊とか、ケルベロス連盟とか」

 「あくまでも戦いたいというわけではなく、和平を望んでる観点からにしても、和平隊がいいと思うよ」

 「隊は規模が小さい気がする。その前に、リリーナの言う通り、軍や隊、そういうのは良くないし」

 「でもそう言うの名前にしないとどんな組織なのかわかって貰えないんじゃん」

 「それも一理ある。リリーナ、貴女が決めよう」

 丸投げやめて……っ! もしかして……いや、もしかしなくても私は昔桜子に言われたように、流されやすい。

 と言うより、これ、私がいいように利用されて裏切られるパターンじゃない? アイとニーナのように……。ほら、あれでしょ、無能な人をリーダーに据えて責任を負わせるあれ。あー、人間や魔王に負けて公開処刑される未来が目に見えてた。

 「そうですね。隊ではなく、和平を強調するのは如何でしょう。和平……そうねピースフルケルベロスとかはどうでしょ」

 適当だけどそれぐらいで丁度いい。私に頼っても無駄だって分からせるんだから。

 「いいね!」

 「決まりだな」

 はあーっ!? あなたたちさぁ……。

 ダメだ……。疲れた。

 勇者の二人は理想や正義を追いかけるんだから自分の意志で私を裏切ることはないと思う。でも誰かに心の隙間に入り込まれたら……。……それって、私のこと?

 あ、いや。あとはセレンね。セレンはあくまでも魔界に多大な犠牲を出したくないだけためにこの戦争を止めたいわけで、もし勝算が見えたらどうなるのか……。

 だからリーダーなんて引き受けるんべきじゃない。今からでも遅くない? リーダーにならないってはっきり言うのよ!

 「次は旗だな。やはり、ケルベロスか」

 「人間と魔人と獣人との3つの頭にしようか?」

 「それは流石にないな」

 うん。ないない。

 いや、でも私はリーダーになりたくないからむしろセンス疑われる方がいいのでは?

 とにかく、私の心はとっくに限界がきてる。何気ない日常が恋しい。運を操る力も、死霊術も、ドラゴンのペットも、地位もいらない。大変だったけど、充実な毎日を過ごして、桜子とワイワイして、お母さんと過ごす穏やかな時間が全部恋しい。そうだね、せめてみんなと双六したい。今度はドラゴン接待双六ではなくて、みんなが楽しめる双六やりたい。そのためにも私は!


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