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ピースフルケルベロス編 第2話 前 私らしさでございますか?

 緊張? 罪悪感? 気持ち悪い……。どうして私がこんな……。こんなことになると最初から分かってたら……私は魔界に、来なかった? はあ……まあ、現実逃避はこの辺にして。

 「リリア……いや、リリーナだったか」

 「……そう、だけど」

 「リリーナちゃんは一体なんなんだ」

 「なんなんだとは?」

 「リリア……リリーナちゃんは獣人じゃないよな。獣人は魔法使えないし、人間は属性魔法しか使えない。魔人だとしても二種類以上魔法使える魔人はいないはずだ」

 「そうね。元人間、ってことになるよね」

 「人間から魔人になったと言うことか」

 「うん」

 「失礼かもしれないけど、リリーナちゃんっていくつ? 大人っぽかったし」

 「13才だけど」

 「マジ?」

 「うん」

 「あの氷を出す魔法は?」

 「混合属性魔法と言って」

 「ああ。聞いたことある。あの魔法が進んでる国でも王族や貴族しか使えないとされてるあの魔法か」

 ここまで言ってもいいのか? 出自、いや、自分のことを話すと無防備になるような感じがして苦手。

 「リリーナちゃんは貴族様だったのか。なぜ魔人に?」

 「色々あってね」

 前世のことは流石に話せない。

 「色々か。13才で魔人になるようなことなんて僕には想像もつかない。リリアちゃんも大変だったな」

 「まあ。チャーリーも勇者だから色々大変だったんじゃない?」

 「それで、リリアちゃん、あっ、リリーナちゃんは僕を騙したのか?」

 「ええ。騙した。嘘をついた。色々とね」

 「……」

 「でも、戦争を止めたい、平和を願ってるこの気持ちに嘘偽りはない。チャーリー、あなたは私を信じてたからここにいるの? それとも私の言葉を信じてたから?」

 マジレスしていいのか……。私らしく媚びるべきかな? 

……私らしい? 媚びるのが……私らしい? 

「僕が信じてたのは……」

「チャーリー何も変わてなかったのね。獣人に石投げる遊びしてた頃から! 勇者になった今でも! 何一つ、自分の頭でものを考えれないのね」

 「考え……たさ。だから、仲間を裏切り、裏切られ……」

 「後悔してる?」

 「後悔は……してない、と思う……いや、わからない」

 後悔はちょっとしてるけど、私という藁を掴もうとしてるってとこかな。

 「ならあのまま、偉い人の言いなりになって魔族を滅ぼしたり、滅ばされたりした方がいいのか」

 「それは……そう、だな。リリアちゃんはきっと正しい……あ、いや。分かってる。自分の頭で考えて答えを出すよ」

 「それと」

 「何?」

 「ごめんなさい」

 「何故謝る?」

 「嘘、いっぱいついたから」

 「嘘ぐらい誰だって」

 

 怒ってもらえなかった……。勇者と言うのはみんなこんなに心が広いなのか……。

で、最後はロッティか……。


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