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本編 第8話 買い物でございますか?

そして、時は流れ、あっという間に、五年半が経った。


 「ねぇ、先生、そろそろ教えてくれない?」


 「今日で教えるつもりよ。でも、もう一つ条件がある。」


 「先生、三つ目や四つ目があるなら今言って。」


 「ない、保証する。条件とは、アサと一緒に冒険者になることだ。」


 そう来たか・・・勿論いやよ、だって、力を使わない程、旅は甘くないと知りながら、アサと旅なんであり得ない、実験台にしたことがバレたら・・・それに、アサは貴族だろう、アサの人生を滅茶苦茶にしたくないし、アサを巻き込む必要ないわ。


 「嫌だ。」


 「リリーナちゃん、あなた、勘違いしているね、まず、アサは自分の意志であなたと一緒に冒険者になると決めた、それに、アサは強い、あなた、授業受けていないから知らないよね、アサが居るから、あたしが安心出来て、あなたに魔力障害でも戦える方法を教えるのよ。」

 

 「仕方ないみたい、いいよ、じゃ教えて。」


 先ずは教えて貰う、別に約束を破っても、もう会えることがないし・・・でも、やはりこんな最低なことはあまりしたくないな。


 「よし、あなたは約束を破らないと信じ、教えよう、魔力障害でも戦える方法、それは魔物使いになることよ。」


 「え!?」


 「だから、魔物使いになれば、魔力障害のあなたも戦える。」


 「結局あたしが戦えるわけじゃないか・・・」


 「当然でしょう、魔力障害だからな。魔物は闇市で買える、今夜七時、校門で待てる、お金沢山持って来い。」


 お金か・・・あまりないな。魔物の値段ってどのくらいかかるのかな?


 「ここが闇市だ、お金、どれくらい持って来た?」


 「一万Gも持って来た。」


 「一万Gしかないのか・・・」


 一応この五年間、贅沢品抜きで、必死に貯めた財産の半分なんだけど。


 「アサ・・・あなたは?」



 「五十万Gしか・・・」


 おのれ、貴族め!お母さんの三十年分の給料に匹敵する大金を小銭みたいに言ってる。


 「待って、あたし、アサのお金を使うつもりはないよ。」


 「あのお金は元々リリーナの為に・・・」


 「ん!?」


 「いいえ、ほら、あたしもリリーナと一緒に冒険するでしょう、強い魔物を買った方が、心強いでしょう。」


 「五十万Gが有れば、かなり良い魔物が買える。」


 「おお、珍しいお客さんではないか、何を買いたい?」


 「あたしの教え子が魔物を買いたい。」


 「予算は?」


 「五十・・・」


 「一万Gだよ。」


 こんな大金、使わないよ、ただより高いものはないとよく言うじゃないか。お願いを聞いてくれないのなら五十万Gを返せと言われたら困る。


 「リリーナちゃん?」


 「リリーナ?」


 「一万Gで買える魔物か、ないわけでもないが・・・まぁ、自分の目で見れば分かる、こっちに来い。」


 凄い、本物の魔物だ、図鑑の絵しか見たことないから、なんがワクワクする。


 「こっちだ、この四匹だ。」


 これは、キュクロープス、いや、値段を考えば、あり得ない、白い馬二匹、あと、狐一匹。


 「これはキュクロープスだ。」


 本当か・・・今日はついてるかも、あっ、違う、力使てない、ちゃんとプラマイゼロにセットした。


 「目を見ろ、このキュクロープス、目玉がないんだ。特徴となる隻眼がないんだ、次はこいつだ、何の生物だと思う?」


 白い馬、でも、ここは魔物を売る闇市だから、普通の馬ではないはず。キュクロープスのように、元々は高いけど、何か欠陥があって、安くなった、つまり、訳あり商品かもしれない。白い馬、考えるのは、ペガサスとユニコーンくらい、二匹目の白い馬の背中には翼らしいもの、いや、短いけど、一枚しかないけど、翼・・・だよね?じゃ、一匹目はユニコーン?いや、二匹は違う生き物って誰も言ってない。


 「あの、この魔物の頭を調べてもいいですか?」


 「はは、調べなくでいい、これは確かにユニコーンだ、角が折れたユニコーンだ、次はこいつだ、お嬢ちゃんならもうわかっただろう。」


 「ええ、ペガサスでしょう。」


 「大正解!」


 「流石にリリーナちゃん、ちゃんと魔物図鑑を頭に入れたみたいね。」


 「凄いわ、リリーナ。」


 こんな些細なことで褒めるなよ・・・ちょっと恥かしいから、照れ隠しが大変じゃないか。顔を隠すため、ペガサスに顔を向けた。


 ペガサスか、桜子が無理矢理にあたしを読ませたあの漫画の主人公も確かペガサスだったよね、興味深い。


 最後の、尻尾がない狐、元は九尾かな?でも、空狐は尻尾がないけど、一番えらいって、図鑑で見たことがある、もしこの狐、元々尻尾がない、ただここの人間が知らなくて、訳あり商品と間違えたら!


 「あの、この狐、元は何本尻尾がありますか?」


 「元は3本もあるよ。」


 なんだ、空狐じゃないか・・・


 どれにしようかな、目が見えないキュクロープス、あたしの指示が有ればそこそこ戦えると思うけど、ユニコーンの角は解毒作用があると図鑑に書いてある、でも、折れたら、普通の馬と変わらないでしょう。ペーガソスもユニコーンと同じね、けど、あの漫画によると・・・

狐は、ね、元は三本しかない上に今は一本もない。


 どうしよう、まさか本当にアサの金を使うのか?アサとの時間も長いし、いや、セバスチャンとの時間も充分に長い、時間だけじゃ何も言えない、観念して、この中で選ぼう。


 やっぱりこの子にする。


 「ペガサスをください。」

皆さん、魂は何だと思いますか?あたしは魂が記憶だと思います。ほら、記憶喪失しました人は性格も変わりますし。判断をする時、常に過去を参考をする、過去の自分がありますから、今の自分があります、つまり、日頃の行いは全部魂に刻まれます。環境や、周りの人に魂を汚されたら仕方ありませんけど、自分で自分の魂を汚すのはやめてください、万引き、カンニング、嘘をつく、一度でもしたら、罪悪感が薄れていきます、魂も汚れていきます。


教えてコーナー

リリーナはペーガソスを選びましたけれど、皆さんならどの訳あり魔物を選びたいのですか?教えてください!

とらばさみ@小説家になろうはTwitterでお待ちしております。

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