序章 第2話 点でございますか?
ここは何処?どうしてあたしは此処にいるの?砂漠の真ん中?こんな綺麗な星空を見るのは初めてだ。
だめだ、なにも思い出せない。
あれ?あたしの着ていた服って、白じゃないはずだけど? それに、何故かみんな真っ白な服を着ている。
考えても、何もわからない。誰かに聞いてみよう。
「あの、すみません、ここは何処ですか?」
「ごめんねぇ、お嬢ちゃん、俺もわかんないんだ。でも、多分あの長い行列に並べばいい」
行列の果てのあれは、まさか、ねぇ・・・
裁判所・・・
いやいや、これは何かの番組の撮影でしょう?あれは、裁判長ではなく、司会さんでは?
だって、ほら、真ん中のモニターで動画が再生されているし。
どうしてそんな映像を撮るの、水で蟻を殺している映像って、面白い?
採点もしているし。そっか、動画を投稿すれば、面白さによってお金が貰える番組か。
2392点?低いの?高いの? 満点って何点? で、2392点で何円貰えるの?
あ、違うものに変わっている。
転生したい世界を選べ
1.文明がない世界
2.魔力がある世界
3.水に覆われている世界
4.全ての生物が同じレベルの知能を持っている世界
5.科学技術が発達している世界
え!?転生したいって・・・まさか・・ねぇ・・
トラック・・・・いや、これ以上思い出すのは駄目!駄目だってば!
え!?そんな、あたし、死んでいるの?
ごめんなさい、お母さん、決して一人にしないって言ったのに・・・お父さんの代わりに守ると言ったのに・・・
どうしよう? 今のあたし、お母さんの為に出来ることがあるの?ほら、天国で見守るみたいな。
こんなことを考えている間に、あの人、水に覆われている世界を選んだ。
そして、次の選択肢が現れた。
種を選べ
人魚 5000
魚人 2000
他(種はステータスによって決定される)
へぇ~何に生まれ変わりたいのかは自分で決めるものだったのか? ステータスはなんでしょう?ゲーム用語のあれか?
思った通りみたい、そしてあの人、魚人を選んだ。そして、次の選択肢が現れた。
点をステータスに振り分け
魅力 上限 2000
(外見500、スタイル500、香り500、声500)
知恵 上限 2000
(理解力500、感情制御500、記憶力500、計算力500)
健康 上限 2000
(免疫力500、身体能力500、寿命500、強壯500)
運 上限 2000
(生まれ1000、縁500、幸運500)
どうやら前世のあたしは魅力に沢山点が入ってたみたい。知恵はどうかな?成績はいいだけで何とも言えない。健康はそこそこかな?運は、ねぇ・・お父さんいないし、友達も一人しかいない、引き運も・・・
桜子・・・そうだ、桜子ならどの世界を選んだかな?
エクストラ
前世の記憶の承継 5000
そうね、前世の記憶の承継もあるね。けど、5000は高すぎ。
なるほど、分かった、人魚姫の物語は水に覆われている世界から来た人が、前世の記憶をベースにして、書いた物語だ。そしてハリー・ポッターは魔力がある世界の物語。
では、あたしは魔力がある世界に行きたい。ハリー・ポッター好きだもんね。咒文も覚えているし、ウィンガーディアム・レビオサー!エクスペリアームス!
あれぇ?あの人、誰?行列を無視して先に進んでいる、いや、飛んでいる。変な髪型に黄色の服、それに背中に亀って字がある。なんか、どこかで見た事があるような。服も白ではない、裁判長とも知り合いみたいだし、一体誰でしょうね?
まぁ~誰でもいいか、そんなことより、別の人の裁判が始まった、今回は美人OLさん。OLって、点をあまり稼げないみたい。あっ、ミミズがある。虫が出る場合は、大抵虫を殺すシーンだ。つまり、彼女はあのミミズを殺したはず。と思いきや、彼女は下着を脱いだ!そして、あのミミズにおしっこを・・・なにこれ? これはプライバシー侵害でしょう? そんな恥ずかしい映像をみんなに見せていいの? こっちが恥ずかしいよ!
あれから、何人も見た、魔力がある世界は魔力と言うステータスがある。それに水に覆われている世界と、全ての生物が同じレベルの知能を持っている世界に、人間はいない。あたしがいた世界は多分科学技術が発達している世界、エクストラは絶対音感や共感覚みたいなものもあるけど、物凄く高い。
そして、採点制度に関しては、生物によって貰える点と減点が違う。例えば、蟻を殺したら-2、助けたら+1。人を殺したら-2000、命を助けたら+1000。子犬に食べ物をあげたら+8点、ホームレスにあげたら+10点。
けど、職業によって貰える点は上限がある。例えば、消防士が十人を助けたら、一万点を貰える、それから何人を助けたとしても、貰える点は同じく一万点だ。アイドルも同じ、一万が上限だ。
大丈夫、あたしはまだ学生だけど、アルバイトやっているし、お客様を満足させてるし。あれ?でも、点が貰えるのはあたしじゃなくで料理人さんなのでは?
とにかくだ、あたしは虫一匹も殺したことない、まぁ、怖いからな…マイナスになるなんて絶対にあり得ない、魂が消されることはまずないね。
あたしの番だ、一体何点貰えるかな? でも、少し変だな、裁判長は席を外した、その代わりにおじさん一人と若い男一人が来った。そして、あのおじさんはこう言った。
「裁判までもない、貴様はマイナス無限点だ。」
皆さん、読んでいる時、前世の自分がどのステータスに何点を振り分けたのかを、考えたことありますか?
教えてコーナー
転生したい世界を選べ!
1.文明がない世界
生きるだけを考えばいい世界、悩みが少ない反面に、娯楽もない。
2.魔力がある世界
魔法が使える素晴らしい世界、でも、魔力少ない生き物が生き辛い世界、点を沢山持っている方におすすめ
3.水に覆われている世界
星全体が水に覆われているから、三次元移動も出来る、最も自由な世界
4.全ての生物が同じレベルの知能を持っている世界
人間がいない、動物が人間な世界、文明レベルが高くないため、ルールも法律もない、弱肉強食の世界
5.科学技術が発達している世界
あたし達が居る世界
皆さんはどの世界に転生したいのですか?教えてください。
とらばさみ@小説家になろうはTwitterでお待ちしております。