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戦争阻止編 第8話 後 秘密でございますか?

アサが私の秘密を……これはいい機会なのかも、しれない?

 いや、前世のことは話したくないし、思い出したくもない。能力のことも言えない。

「前世の方が表情筋が発達してるかも?」

 「本当のことは教えてくれないのね」

 アサしつこい! 

 「私はリリーナの笑顔が見たい。いや、リリーナが笑顔でいて欲しい」

 そうだね。アサはただ私のことを心配してるだけ。でも、哀れまれるのもなぁ。

 「私はリリーナのことをもっと知りたい。私の知らないしろも知りたい。お願い、教えて」

 話した方が楽になるかもしれない。それに、アサは絶対に私のことを裏切ったりしない、と思う。アサとの時間は無駄にならないと思うし。そもそも、私はアサがいなくても、まだ桜子がいるし……。

本当、私という人って……。

 前世のことがあるからって、こんな風にアサを軽く扱っていい理由にはなれない。もう話そう。話して楽になろう。

 「あのね、アサ、私……」

 あれ?

 「うん? 聞いてるよ」

 どういうこと? 口が動かない……!

 「……っ」

 「どうしたの?」

 怖い! やっばり話せない。アサに話しても大丈夫だってちゃんと分かってるのに、怖いっ! 呼吸ができない! 胸が苦しい! 吐き気がする!

 「リリーナ、大丈夫? 汗がすごいよ」

 「少し、1人にさせて」

 こうなるのか。アサに話しても大丈夫。頭では分かっているが、体が……。

 「まだいるの? 1人にさせてって言ったよね、私」

 「……」

 「ねぇ、アサ。お願いだから1人にさせて」

 「こんなにも辛そうにしてるリリーナを1人にできないよ」

 「そういうのはいいから出て行って」

 どうして? どうして1人させてくれないの?

 ちょっと!? 私の肩を掴んで何をするつもり?

 「いい加減になさって! どうしてわたくしに頼らないのですか? 1人に抱え込むのはおよしなさい! 中で腐ってしまわれるってどうしてお分かりにならないのですか!」

 「アサ、やめて! 揺らさないで!」

 胃がぁ!

 「アサ、くる……ちいぃ」 

 「わたくしも苦しいです! 昔から! ずっと! リリーナ昔、夜中うなされるのよ! 毎晩! その時何も出来なかったわたくしの気持ち、お分かり頂けます?」

 「分かった! 分かったから! 離して……」

 「いいえ! リリーナは何も分かって……」

 気持ち、悪い……もう、ダメ……。

 「おえーーーっ!」

 「きゃーっ!」

 吐いてしまった、しかもアサに掛けた。

 「リリーナっ! ごめん……でも、私っ!」

 「ううん。私こそ、色々ごめんね。アサの気持ちはよく分かった。でも、恋人だからって何もかも話さなければならないというわけじゃないと思う。違うか?」


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