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戦争阻止編 第8話 前 疑問でございますか?

 またリリーナと旅出来るようになりました。正直戦争の事はどうでもいいのです。ですが、今はリリーナと2人きりでいられることに感謝しております。

 けれど、また勇者を説得しなければならなくなりましたわ。しかも、今回は剣の勇者も説得しなければなりません。前回は剣の勇者に戦争をやめさせるから参戦しないで欲しいとお願いしたのに、結局戦争戦争を止められませんでしたからね。今になって戦争を止めたいから仲間になって欲しいと申し上げても、信用してくださるとは思いません。加えて、今回は人間側を停戦を応じてくれなければ、最悪の場合、人間側にわたくしたちの戦力を示さなければなりません。人間と敵対する可能性があるとなると、知り合いとは言え、協力して頂けるでしょうか。それだけではありません。剣の勇者より槍の勇者の方がリリーナを悩ませています。リリーナの話によりますと、槍の勇者の仲間は魔族を毛嫌いしている上にリリーナを信用していないとのことです。何かリリーナの役に立てることはないでしょうか。

 それにしても、リリーナと旅に出た頃、まさかわたくし達が世界を左右するような存在になるなんて思いもしませんでしたわ。あの時はリリーナちゃんと駆け落ちして、リリーナちゃんを振り向かせるのに必死でしたわ。

あれ? お待ちになって。リリーナはどうして魔界を目指すようになられたのですか?どうやって桜子さんが魔界にいらっしゃることを知ったのでしょうか。 そもそもリリーナはいつ前世の記憶を取り戻せたのでしょう? 叔母様の話によりますと、リリーナは入学した時から子供と思えないほど精神的成熟度が高かったのです。もしかして、リリーナは最初から前世の記憶をお持ちで……。

……記憶が蘇ったあとずっと違和感を抱いたのです。しろは、今のような表情乏しい子ではありませんでした。どうしてリリーナは笑わなくなってしまわれたの? 

リリーナ、今勇者のことで悩んでいると存じます。邪魔をすべきではないと重々承知しておりますが……。

「リリーナ、今すごく悩んていると思うし、こんなことを聞く場合ではないとは思うけど」

「うん? 何?」

「リリーナは生まれた時から前世の記憶を持っているよね」

「……そうだけど」

「リリーナはどうして魔界に行ったの?」

「転生する前に、神様に聞いた。アサのこと知らなかったのはそもそもお母さんが死んだことを知らなかった」

「そうだったのね。リリーナが笑わなくなったのは桜子が死んだせい? 」

「……」

 リリーナは何を言わず、わたくしを見つめました。十秒ほど経って大きく息を吸って、大きく溜息をつきました。

 「……アサ、私は」


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