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戦争阻止編 第四話 前 視線ございますか?

 これは……前知識はあるけど、これは……。

 えーと、ホランから聞いた話だと、組織のパーティは二つの会場に分けられて、一つ目は普通な舞踏会で、二つ目はここ、お金持ちの道楽の限りを尽くす、恐ろしい宴会だ。

 一刻も早くこの場から去りたい気持ちをさせたのはこの血腥い匂い。恐らくホランが言ってた少女の生き血風呂に入るオカマが入浴中。いや、別にオカマに偏見を持ってる訳ではないし、そもそも私は人のことを言える立場ではないけどさ。人としてどうなの?ってな話にならない?

 他にも人を的にしてナイフでダーツのような遊びをしてる人も、破廉恥なことをしてる人もいる。人を椅子として座るのはかわいいと思えた。そんな欲望を解放するためのパーティだ。

 何故このパーティがあって、この人たちが参加してるというと、お互いの欲望、弱点を把握して連帯感を深めるためだそうだ。それに、後処理もしてくれる。ビジネスのお酒の席みたいなノリで人を殺してるわけだ。これが、私がこれから殺す人たち。


 計画通りに行けばいいんだけどね。この血腥い匂いも計画にとってはなくではならない要素だ、うまく行けばいいんだけど。

 それにしても、本当に強そうだな、雇われた用心棒達。大陸中に集めた強者達を相手にして、アサでさえ生きては帰れないと運チェックの結果が示した。運チェックの結果的に私は三日内では死なない。けど、私がこの人達に捕まえられ、死よりも恐ろしい目に遭う可能性は十分考えられる。どうして私はここに居るでしょ。意気揚々に林檎の木を倒しに行くと言ったのに、足の震えが止められない。

 冒険者になって今まで何度も死の恐怖に直面したけど、これほど死を間近に感じたのはこれが初めてかもしれない。

 準備が整えるまでに待つこの時間がまるで地獄のようだ。


 そしてあいつが到着した。トーマス、大陸一のお金持ちでこいつらの親玉。この人がこのパーティの主催者で唯一自分の歪んだ欲望を晒していない。でも噂になっている。こいつは重度な脚フェチと……。


 「エレオノーラ、トーマス様にご挨拶を」

 「初めまして、トーマス様。私はエレオラーラ・ホランと申します」

 「引き取ったばかりでまだ礼儀作法を叩き込んでいません。何か失礼がありましたら……」


 見られてる……。舐め回すような視線……私の顔から脚、胸、また脚に戻る。やめて! 見ないで! そんな顔しないで! 私はロリじゃない! 少女だ! 断じてロリなどではない!


 「ホラン、この子をくれ」

 「いや、それは……」

 「私がお願いしてるように見えるのか」


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