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魔王覚醒編 第10話 前 抗議でございますか?

 「魔王様。数多くの領主と軍の上層の署名を集めた抗議書が届いております。内容はセレン様に対する虚偽告訴の撤回及び謝罪、魔王様の体の返却と謝罪を要求するとのことです」

 「セレンめ……」

 「なお、魔王様が本物ではないという噂は既に広まっています。いかがなさいますか?」

 

 これはまずい。誰も俺を魔王として認めなくなった。おのれ! セレンめ! どうする? こんなに署名集めたから無視するわけにもいかない。タイサや署名した魔人全員粛清するしかないのか? いや、待ってよ!


 「三日後に演説を行う。準備するのだ」

 「かしこまりました」

 逆手に取らせてもらうよ。


 民衆だけでなく、貴族や軍の上層もかなり集まってる。セレンを除くイエス!魔法戦隊ファイプのメンバーはみんなここにいる。

 「みんな、よく集まったな。初めまして、俺が魔王だ」

 「あれが魔王様? 禍々しいオーラを纏っているよ」

 「でも噂では……」

 噂……。

 「みんなも聞いていた通り、俺は魔王ではない。魔王様の体を乗っ取った魔人だ」

 みんな驚いているようだ。無理もない。

 「セレンが俺を襲ったのはこれが原因だ。だからセレンを無罪とする。もちろんタイサも釈放する。2人にお詫びを入れよう」

 俺はセレンを目の敵してる訳ではない。やり方はぬるいが人材だ。それより、ここから始まるのだ! 俺の伝説が!

 「俺は本当の魔王じゃない。しかし! 前の戦争でみんなはこう思ったことあったのか?魔王様さえいてくれれば被害はそんなに大きくはなかったはずと! もっと早く戦争を終わらせたはずだと! 確かに、俺は魔王様の体を乗っ取った! 不敬だ! それは簡単に許せることではない。だが、このまま魔王様を眠らせていいのか! 魔王の力を扱える俺より、寝たままの魔王様の方がいいというのか! 今魔人が必要とするものはなんだ? 魔王様への忠誠心か? 否! 今必要なのは魔王の力だ! そもそも魔王とはなんだ? 魔王とは女神様がお作りになられた最初の魔人だ。だが、それになんの意味があるのだ? 我々魔人が認める魔王は最強の魔人だ。そして今魔界において一番強いのは誰だ? この俺だ! 魔人よ! 俺に従え! さすれば、魔界は今より、いや、かつてない繁栄を生み出せるだろう! 魔界に栄光を取り戻すのだ!」

 「魔王様万歳ーっ!!!」

 よし、仕込んだサクラの魔人達も言う通りに動いている。

 「「「魔王様万歳―っ!!!」」」

 

 「魔王様、お疲れ様でした。大変素晴らしい演説でした」

 「ふ、ふふふ!これで誰も俺の邪魔をすることが出来なくなった! どうだ!? セレン! 完全に俺の勝ちだ! 俺の、勝ちだぁ〜!」

 「魔王様?」

 「人間殲滅作戦の幕上げだぁ〜! ふふふ、ははははは! あーははははは!」 


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