魔王覚醒編 第4話 後 決意でございますか?
「魔王様、報告書でございます」
「ご苦労」
どれどれ。イエス!魔界戦隊ファイブの魔人関係と実力について。大佐とセレンとは幼馴染で大佐はセレンに恋心を抱いている。なるほど、会議での反応も納得がいった。大佐は敵確定だな。スネークは、セレンとは特別な関係ではない。しかもイエス!魔界戦隊ファイブに入ったばかり。会議ではセレンの味方にみえてたが大佐と群れることはなかった。だが、大佐の反応からしてスネークはセレンとも大佐とも仲がいい。スネークが大佐を避けたということは仲良がよかったことを隠そうとしていた。あるいは敵として見られたくない。うまく行けばこっちの味方にできる。プラントは感情なさそうだから中立と見ていいだろう。ゴーストは俺と同じく人間が嫌い。味方だ。つまり、味方1人、味方になれそうなのが1人、中立1人と敵1人。まずは敵からだ。
「冤罪をでっち上げて大佐を牢に入れろ」
「御意!」
面倒な。魔王になったからって何でも出来るわけじゃないって知ってたが、魔人1人殺せないとは。まあ、セレンは俺が魔王として目覚める前からずっと魔界を治めたから魔人望がある。無闇に殺すと反感を買う。まずは人望を集めるしかない。
魔王は何もしなくていい。存在だけで意味をなす。でも今の時代ではそれだけじゃダメだ。前の大戦での損害は思った以上大かった。イエス!魔界戦隊ファイブも対策されて実力発揮できなかったと聞いた。戦闘力だけ頼っても人間族を絶滅に出来ない。魔王とて無敵な存在ではない。聖なる武器や神聖魔法という弱点がある。早速人間を根絶やししたかったがそう簡単にもいけないようだ。人間と違って魔族は戦力補充が遅い。残念だが人間と戦争するにはまだ早い。
今しなくではならないことは魔族を強くすることだ。セレンみたいな軟弱なやり方ではなく、俺のやり方でやるんだ。魔王を知ってる魔人はもういないはずだ。今のところ俺の正体を知ってるのはセレンだけだ。セレンさえどうにかすればバレる心配はない。
認めたくはないが政治に関してセレンはいい働きをしてた。軟禁するには惜しい魔人材ではあるが俺の正体を知ってからには外に出すわけにはいかない。セレンと大佐が開けた穴もしっかり埋めないとな。ん……イエス!魔界戦隊ファイブの代わりはそう簡単に見つけないだろうが。他にやることは沢山ある。しかし、俺だって覚悟を決めて魔王になったのだ。頑張らないとな。




